人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。
第101回 なぜ年齢とともに「1年」が加速するのか?

わかります。江戸時代の50歳の人や昭和初期の50歳の人も、若者よりは早く感じていたでしょうけど、現代の体感的な早さはきっとそれ以上ですよね。スマホの普及で「隙間時間」が消滅しちゃったことも大きいんじゃないでしょうか。

今の「タスクが詰まる」という話にも通じるんですが、そもそも現代は「やりたいこと」と「やれること」の距離が極端に短くなりましたよね。東京から大阪へ行くのも、今なら新幹線で2時間半ですけど、江戸時代なら2週間はかかっていたわけで。

ええ。手段が進化して「やれること」が爆発的に増えた結果、「あれもできる、これもできる」と想像が膨らみ、やりたいことが次々と出てくる。それを全部やろうとしてスケジュールが埋まり、時間が加速していく……そんな感覚なのかなと。

そうなんです。あと、これはあまり良くないことかもしれませんが、50代になって時間が早いのは「何も考えずに生きているから」かもしれないと。昔はもっと立ち止まって考える時間があったんですが、今は気づいたらもう寝る時間、みたいな状態で。

そうそう。とはいえ、毎日深刻に立ち止まって考えているのも大変ですしね。そう考えると、1年の大半は昨日や一昨日と同じような何気ない日々でいい。その中で、時折立ち止まって考える時間を持つのが、実は「極上の人生」なんじゃないかと最近は思っています。

そうそう。この肉体って、ある意味「地球から借りている」ものだと思うんですよ。だからお返しするまでしっかりメンテナンスしないといけない。まぁ、そのメンテナンスだけで1日の半分が終わっちゃうんですけどね(笑)。
対談している二人
藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表
1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















