第105回 一生「老いない脳」の作り方

この対談について

人は何のために働くのか。仕事を通じてどんな満足を求めるのか。時代の流れとともに変化する働き方、そして経営手法。その中で「従業員満足度」に着目し様々な活動を続ける従業員満足度研究所株式会社 代表の藤原 清道(ふじわら・せいどう)さんに、従業員満足度を上げるためのノウハウをお聞きします。

第105回 一生「老いない脳」の作り方

安田

いつも藤原さんがメルマガで仰っていることですが、「脳みそさえ健康なら人はいくつになっても成長できる」という話、あれは本当に希望がある言葉ですよね。


藤原

ありがとうございます。やはり体全体の健康ももちろん大事ですが、脳の状態こそがその人の生き生きとした姿を決定づけますからね。

安田

ええ。私も頭を使う仕事をしている身なので、そこをすごく意識するんですよ。一般的には「頭を使っている人は認知症にならない」なんて言われますけど、本当にそうだろうかという心配もありますし。


藤原

そうですよね。「頭を使っていれば大丈夫」という単純な話ではないと私も感じています。

安田

実際私の知り合いも、囲碁が大好きだったり、新聞をよく読んだりと頭を使っていたんですが、それでも少し認知症っぽい症状が出てきていますし。だから、単にいっぱい計算問題を解くとかニュースをちゃんと見るとか、そういうことだけでは防げない気がして。


藤原

生活習慣以外の運や遺伝的な要因も絡んでますからね。そもそも脳の血管がある日突然切れてしまう、みたいなことは誰にでも起こりうるわけで。

安田

そうなんですよね。若くして癌になる人もいらっしゃいますし。ただ、そういった病気としての認知症ではなく、生き方として「脳が硬くなってしまう」ような状態もあるんじゃないかと思っていて。


藤原

なるほど、面白い視点です。病気とは別の領域で、「人生を楽しむ」とか「人間関係を大切にする」みたいな観点での脳の健康ってことですよね。ちなみに安田さんはどう考えてらっしゃるんです?

安田

「答えのない問いを考え続けているかどうか」が鍵なんじゃないかなと。あるいは好奇心を持ち続けること。自分ではそのあたりを意識してますね。


藤原

ああ、私も全く同じ感覚です。我々より若い世代、例えば30代、40代でも、上司に指示されたことを淡々とこなすだけの人って、もう脳が硬くなり始めてると思うんです。

安田

なるほど。言われた通りには動くけれど、そこに自分なりの工夫や疑問がない。確かにそういう人は脳が柔らかくなさそうです。


藤原

ええ。しかもそういうスタンスだと、どうしても「やらされている」という感覚が抜けない。だから何か問題が起きても「指示通りやっただけだ」と他責思考になりやすい。結果、主体的に脳を使う機会がどんどん失われていくような気がするんです。

安田

それは納得感のある話ですね。脳も使わないと回路が錆びついていくんでしょう。


藤原

逆に言えば、「主体的に考えること」が脳という道具のメンテナンスになると思うんです。その方が健康を保てるし、何より人生楽しそうじゃないですか。

安田

ブラタモリ』のタモリさんみたいな感じですよね(笑)。ご本人が一番楽しんで好奇心を持っているから、結果として周りの人も巻き込まれて、その対象に興味を持ってしまう。ああいうあり方ができたらいいですよね。


藤原

タモリさんは最高のお手本ですよね。お笑い芸人の方々なんかも、年齢のわりに頭がすごく柔らかい印象があります。やはり好奇心が旺盛なんでしょうね。

安田

ああ、確かに確かに。でもやっぱりそういう人たちは少数派で、40歳を過ぎたあたりから頑なに変化を受け入れず、自分の殻に閉じこもっていく人が多いじゃないですか。「5年後、10年後に会ってもきっとこの人は変わっていないんだろうな」と想像できてしまうような。


藤原

確かに確かに。次に会った時に別人のようになっている必要はないですが、せめて「さらに新しい面白いものに興味を持っている自分」でありたいと思います。

安田

そうなんですよ。現状維持ではなく、常に何かに興味を持っていたいですね。

藤原

安田さんは今60歳でしたっけ? 私から見ると、ものすごく好奇心が旺盛に見えますよ。10年前の50歳の頃や40代の頃と比較して、ご自身の好奇心に変化はありますか?

安田

それがね、種類が完全に変わったんですよ。若い頃は「世界中の知らない景色を見たい」といった外向きの好奇心が強くて、海外旅行に行きたい欲求なんかも強かったんですけど。

藤原

以前、そんなお話もされていましたね。それが今は減ってきたんですか?

安田

ええ。減ってきました。その代わりに一つの物事を深く深く考えたいとか、探究したいという欲求はむしろ強くなっているんです。好奇心が「探究心」に形を変えたのかもしれません。

藤原

それは素晴らしい変化じゃないですか。海外に行きたいかどうかは好奇心の一形態に過ぎませんから、決して好奇心がなくなったわけではない。質が変わって、より深める方向へ向かっているということでしょう。

安田

そう言っていただけると嬉しいですね。ただ、今の生活は毎日判子で押したようなルーティンで、自分は変化のない人間になってしまった気もしていたんです。

藤原

ルーティンを繰り返していると、そう感じるかもしれませんね。

安田

でも客観的に見たら、会社にも行かずに家にこもって、人間の本質みたいなことを考えて配信して、それでお金を稼ごうとしているなんて、かなり異質な存在なわけで(笑)。

藤原

笑。ご自身でもその状態を結構気に入っていらっしゃるんじゃないですか?

安田

そうですね、気に入ってきました(笑)。これからも変化し続けたいですね。

 


対談している二人

藤原 清道(ふじわら せいどう)
従業員満足度研究所株式会社 代表

Twitter note

1973年京都府生まれ。旅行会社、ベンチャー企業を経て24歳で起業。2007年、自社のクレド経営を個人版にアレンジした「マイクレド」を開発、講演活動などを開始。2013年、「従業員満足度研究所」設立。「従業員満足度実践塾」や会員制メールマガジン等のサービスを展開し、企業のES(従業員満足度)向上支援を行っている。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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