【vol.357】2026年健康食品・栄養トレンド②

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


先週まで「ホテル業界のマーケティングトレンド」を観察し、消費者心理と体験価値の変化を整理してきました。今週からは、2026年に台頭する「健康食品・栄養トレンド」に関する役に立ちそうな記事を見つけたので紹介していきます。

今週の記事はこれ(EatingWellより)
You’ll See These 10 Food & Nutrition Trends Everywhere in 2026
(2026年にどこでも見られる10の食と栄養トレンド)

https://www.eatingwell.com/food-and-nutrition-trends-for-2026-11868257

10のトレンドは下記の通り

Trend.1 Fiber Takes Center Stage
Trend.2 Global Flavors Become Mainstream
Trend.3 Healthy in a Hurry
Trend.4 Sensory Sips
Trend.5 Natural Food Dyes
Trend.6 Skyr
Trend.7 Wellness Travel
Trend.8 Longevity & Dementia-Prevention Diets
Trend.9 Exclusive Products
Trend.10 Beans & Legumes

 

今回は、EatingWell が予測する10のトレンドのうち、
「Trend.3 Healthy in a Hurry」と「Trend.4 Sensory Sips」という2つのテーマを取り上げます。

Trend.3 Healthy in a Hurry
(手軽さと健康を両立する)

Now more than ever, people are looking for the intersection between nutritious and quick.
This trend expands beyond the easy skillet dinner; it also shines light on how pantry staples and freezer favorites can be the centerpiece of a dish.
And when it comes to recipes, made-ahead breakfasts will become your new favorite, especially overnight oats, chia pudding and parfaits that are packed with essential nutrients.

これまで以上に、人々は「栄養があること」と「手早さ」の交差点を求めるようになっています。

このトレンドは、フライパン一つで作れる簡単な夕食にとどまらず、常備食材や冷凍食品が料理の主役になり得るという点にも光を当てています。

またレシピの面では、作り置きできる朝食が新たなお気に入りになりそうです。
特に、オーバーナイトオーツ、チアプディング、パフェといった、必須栄養素がしっかり詰まったメニューが注目されています。

ここで示されているのは、「健康か、時短か」という二択ではなく、
健康であることを前提に、いかに手間をかけずに続けられるか、という価値観の広がりのように思えます。

マーケティング上のインサイトとしては、「考える負担」を減らしたい、という点が大きいのかもしれません。
いわゆる「注意の残余効果」です。

注意の残余効果(attentional residue)とは、答えが出ていない問いや未完了のタスクが、無意識のうちに脳内に残り続け、他の思考や集中力を消耗させてしまう状態を指します。

「今日の料理は何にしよう?」という“注意”は、決まるまで頭の片隅に居座り続けます。
Healthy in a Hurry が支持される背景には、調理時間の短縮だけでなく、こうした「考え続けなければならない状態」を減らし、脳のリソースを解放して「本来やりたい他のこと」に注意を向けたい、という価値観があるのかもしれませんね。

なお、オーバーナイトオーツとは、「オートミールを牛乳やヨーグルトに浸して一晩置くだけの、作り置き型の朝食メニューです」とのことでした。

 

Trend.4 Sensory Sips
(感覚を楽しむドリンク)

We love drinks that make you feel good. But what about drinks that also just feel good?
The rise of the multisensory sip is upon us.
Think: Pillowy cold foam atop a smooth iced brew, juices and lemonades that embrace the pulp, boba tea, perhaps the resurgence of whipped coffee?
We predict that beverages in 2026 will expand beyond hydration and offer a more textured experience.

私たちは、「体に良いと感じられるドリンク」が好きです。
では、「飲んでいて心地よいと感じるドリンク」はどうでしょうか。
いま、五感に訴える“マルチセンサリーな一杯”の時代が始まろうとしています。

なめらかなアイスコーヒーの上にのったふんわりとした冷たいフォーム、
果肉をしっかり感じられるジュースやレモネード、
タピオカ入りドリンク、ホイップコーヒーの再ブーム。
2026年の飲料は、単なる水分補給の枠を超え、より「質感のある体験」を提供するようになると予測されています。

なるほど、五感で楽しむドリンク、ということですね。
タピオカや辛口ジンジャーエールあたりが、典型例でしょうか。

 

Drinks will go beyond mouthfeel; they already have.
Some of our top recipes this year include Orange-Carrot Turmeric Ginger Shots and Frozen Lemon-Ginger-Turmeric Shots, which provide an internal sensory experience with a tingly sensation.

ドリンクは、口当たりだけにとどまりません。すでにその兆しは見えています。
今年注目されたレシピには、
オレンジ・にんじん・ターメリック・ジンジャーのショットや、
冷凍レモン・ジンジャー・ターメリックのショットがあり、
これらは体の内側で「ピリッとした感覚」をもたらします。

どうやら「ターメリック」「ジンジャー」がキーワードのようですね。
ターメリック×レモン×ジンジャー。
確かに「マルチセンサリー」の最たるものかもしれません。

そこにタピオカを入れたら最強ですね。
“最美味”かどうかは分かりませんが(笑)

重要なのは、「効いている感じ」「体に届いている感じ」なのでしょう。

Sensory Sips は、飲み物を「成分」で選ぶ時代から、
感覚や気分で選ぶ時代への移行を象徴するトレンド、と言えそうです。

今週は以上です。

 

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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