【vol.162】シリーズコロナ後の世界(No.8)リベンジ消費

GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道


引き続き、WSJ(The Wall Street Journal)から、コロナ後の世界に向けて消費者の行動がどのように変化・確立していくのか?というレポートを紹介していきます。

今週の記事はこれ

Top 10 Global Consumer Trends for 2021
2021年の世界的な消費者行動Top10
https://www.wsj.com/articles/ten-global-consumer-trends-for-2021-11610976600

パンデミック以後の2021年、消費者の行動がどの様に変わるのか?
という観点で先週までのHOFFMAN YORKの記事に引き続き、WSJの記事を読み込んでいきます。

調査・分析自体は調査会社のEuromonitor International が実施しているようです。下記の10のトレンドが予測されています。
順位ではなく10個がリストでピックアップされています。

・More Brand Activism
・Spontaneity and Convenience
・Open Air
・Physical and Digital Worlds
・New Schedules
・Revenge Spending
・Thoughtful Frugality
・Safety Obsession
・Greater Self-Awareness
・Working From Home Evolves

先週は「New Schedules(新しいスケジューリング」を読み込みました。早速続けて行きます。

Revenge Spending(リベンジ消費)

Many people are distrusting of leadership and government, and bias and misinformation are feeding a crisis of confidence, Euromonitor says. That’s driving some consumers to rebel by placing their own needs and wants first.

多くの人がリーダーシップと政府を信頼しておらず、バイアスと間違った情報が「自信の危機」をもたらしている。
なので、一部の消費者は「自分自身のニーズと欲求最優先」の行動に出ると思われる。

僕の意訳力不足で文章の意味がちょっと解りにくいですが、、、
要するにこれまで我慢を強いられた分「自己中(ジコチュー)消費」に走る人がどんどん増えてくるでしょう、ということですね。

これはSDGs文脈とは「逆」の文脈になります。
「自己中消費派」と「SDGs消費派」の2大セグメントが存在する、というよりもむしろ下記の構造なのではないか?と思うのです。

「一人の消費者の中に、自己中消費とかリベンジ消費のような右派的な消費志向性と、SDGs消費のような左派的な消費志向性が両方存在する」

このように理解しています。

なので、マーケティング界隈の「セグメンテーション」とか「ターゲティング」という話で言うと、下記のことが言えるかもしれません。

「人をセグメンテーション」するのではなく「人(デモグラフィック)とシーン(自己中消費シーン or SDGs消費シーンなど)の掛け合わせ」でセグメンテーションしてみることが必要。

このように、with~postコロナ時代は少々面倒くさい時代なのかもしれません。。。
2面性を捉える難しさがありますね。「人」ごとのセグメンテーションは機能しなくなるかもです。
同じ人でも「SNSでの人柄」と、「リアル対面での人柄」の2面性が存在する感じに近いですね。

というわけで、人々の消費はpostコロナに向けて「Revenge Spending」の方向感に走る場合(シーン)もあれば、世界の既成事実的な潮流である「SDGs Spending」の方向感に走る場合(シーン)が、同一人物の中でも混在する近未来の予感です。

 

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「本コラムと、本業ビジネスとの関係」(著者・小出紘道より)

本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。

著者情報


小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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