第357回 人手不足が奪うマーケット

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第357回「人手不足が奪うマーケット」


安田

「ニーズはあるけど人がいないから供給できない」という市場が16兆円もあるそうです。

久野

飲食なんて間違いなくそれでしょう。店を開ければお客さんは来るけど人がいないから開けられない。

安田

人不足で日本のGDPがどんどん減っていくってことですね。

久野

人が減ることばかりフォーカスするのもどうかなって思いますけど。人が減ってく中で売上を増やす方法も考えないと。

安田

単価を上げるってことですか?

久野

たとえば多くの飲食店は未だにQRを使ってないじゃないですか。思いのほかみんな工夫してない。人がいないって嘆くばかりで。

安田

人間にやらせた方が安いからですかね。

久野

そうだと思います。

安田

吉野家なんてすぐ完全無人化できそうな気がしますけど。ご飯にのっけるだけなので。

久野

牛丼は早く無人化してほしいです。人によって牛丼の量が全然違うから。

安田

え?そうなんですか。

久野

はい。あれが許せないです。玉ねぎの数とか全部AIで数えて牛丼のグラムを正確にしてほしい。

安田

マクドナルドはその辺りがすごく正確ですよね。すでに機械化してるんでしょうか。

久野

いや、マクドナルドは人間の方が早くて正確らしいですよ。

安田

本当ですか?

久野

この前マクドナルドの密着ドキュメンタリーを見ましたけど、人の動きに全く無駄がなくて。もう機械みたいでした。完璧に分業されていて。

安田

ひたすらパテを鉄板に並べるだけの人とか。

久野

そうそう。でもこのオペレーションの方が美味しくなるみたいです。マクドナルドは全国どこにいっても味が同じじゃないですか。

安田

確かに。安心感はあります。

久野

吉野家は結構ムラがありますもん。

安田

いずれにしても大手飲食チェーンはそろそろ限界じゃないですか。人が現場でサーブするって無理でしょう。

久野

確かにそう感じます。ただ大手は資本もあるからそれなりに自動化できるでしょう。

安田

個人店はどうなると思いますか?

久野

中途半端なサイズ感のところはやばいと思います。

安田

小さいほうが生き残りやすいかもしれませんね。私がよく行く店は小さいですけど流行ってます。閉店時間は早いですけど。

久野

最近早くなりましたよね。名古屋の高級な料理店も10時前には閉まってます。

安田

私は全く問題ないですけど。いつも17時に入って19時半には終わりますから。

久野

そういうお客さんが中心だとやりやすいでしょうね。バイトも集めやすいし。遅いお客さんに合わせるのって大変じゃないですか。

安田

大変ですよ。遅くまでダラダラ飲み続ける人がいると。価格をかなり上げないとバイトが来ないです。

久野

歯医者さんもどんどん短くなってますよ。早いと5時半には終わる。

安田

そうなりますよ。だって人が確保できないですもん。

久野

ビジネスマンは有休を取らないと歯医者に行けませんね。

安田

それが真っ当なのかもしれませんよ。有休取ればいいんです。

久野

土曜日はすぐ予約で一杯になっちゃうし。

安田

土曜日の予約がすぐに取れるのは人気がない歯医者さんだけです。今はお客さんを集めるより衛生士さんを集める方が大変ですから。

この対談の他の記事を見る



久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

感想・著者への質問はこちらから