第361回 都税は誰のものなのか?

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第361回「都税は誰のものなのか?」


安田

地方の税収がどんどん減っているそうで。財源不足が大変みたいです。

久野

人口が減ってますからね。仕方ないと思います。

安田

一方で東京はめちゃくちゃ税収が多い。人口が多い上に本社機能も東京に集中していますので。

久野

そうなっちゃいますよね。

安田

ただ東京で働いている人も住んでるのは神奈川・千葉・埼玉だったりして。都税を「都民だけのために使っていいのか?」と問題視されています。

久野

難しい問題ですね。

安田

都民にしてみたら「なぜ俺たちが払った税金を地方に持っていかれる?」ってなりますし。東京本社の会社は「全国で販売してるじゃないか」という反論もあって。

久野

納得がいかなければ引っ越せばいいんじゃないですか。

安田

都内に?

久野

都内が得だと思えば都内に引っ越せばいいし、地方がいいと思えば地方に引っ越せばいい。

安田

まあそうですよね。中国みたいに引越しできないルールもないし。

久野

東京は確かにお金があるので子育て支援も手厚くて。だけどその分家賃も生活費も高いわけです。

安田

それは都民がよく言いますね。「俺たちは物価も家賃も高いんだ」って。

久野

もしかしたら地方の方が生活にゆとりがあるかもしれない。価値観に合わせて引っ越すしかないと思う。

安田

同じ給料だったら地方で暮らすほうが豊かでしょうね。

久野

今はオンラインでどこでも仕事できちゃいますし。

安田

東京の会社が地方の人材をどんどん採用してますよ。オンライン業務で。

久野

同じ家賃でも広さが全然違いますし。

安田

都心で家なんて買えませんよ。一軒家なんて大金持ちじゃないと住めない。マンションも1億円以上はしますからね。

久野

地方だったら普通の会社員でも50〜60坪の土地を買って家を建てられますから。親が結婚祝いに買ってくれたりもしますし。

安田

え?買ってくれるんですか。

久野

名古屋ではよく聞きます。結婚してこっちに来るんだったら家買ってあげるよって。

安田

すごい。ちなみに名古屋もかなり税収は多いですよね?

久野

愛知はすごいですね。まずトヨタがあるし。名古屋市も優秀な会社がたくさんあるから財源はあります。

安田

隣の岐阜県とかなり差があるんでしょうか? 

久野

岐阜からすると名古屋があるから働く場所があって、岐阜という地域が成り立っているとも言える。

安田

なるほど。

久野

名古屋から見ても岐阜はベッドタウンなので。持ちつ持たれつというか。

安田

東京と同じですね。埼玉、千葉、神奈川から都内に出てきて、みんな働いて家に帰る。

久野

お互いに恩恵を受けてるイメージですね。人が多いってことはその分コストもかかるわけだし。

安田

でも東京って、やっぱりお金ありますよ。都庁もすごいし、この前イベントをやったパレスホテルの周辺なんて凄かったじゃないですか。

久野

別世界でしたね。世界中からお金持ちが集まる場所なので。

安田

パレスホテルは一番安い部屋が1泊15万円だそうです。

久野

出張では泊まれませんね。

安田

丸の内も、大手町も、最近は八重洲も、全部すごい。東京駅周辺はすごいですよ。

久野

日本中の大きな法人があのあたりに本社を構えていますから。錚々たる会社が集まって利益を出しているので。税収もでかいですよ。

安田

トヨタみたいな会社がたくさんあるわけですからね。

久野

何兆円と利益を出している会社もあるわけで。

安田

いずれ、もっと集中していくんでしょうか。東京、名古屋、大阪、福岡あたりに。

久野

集中してくるでしょうね。とくに昼間の人口に関しては都心にほぼ集約されちゃう。

安田

税収もどんどん差が開きそうですね。

久野

ふるさと納税を頑張るしかないですね。とはいえ東京が豊かだとも限りませんけど。

安田

確かに住んでいる実感としては便利ではあるけど豊かではないですね。公園だってものすごく狭いし。

久野

子育て環境はどうですか?

安田

東京駅の真ん前に公立小学校があるんですけど。超贅沢な場所ですけど狭くて校庭がないんです。窓も少なくて陽が当たらない。

久野

豊かさとはなんぞやってことですね。

安田

東京は住むところじゃなく行くところかもしれません。昼間の人口は増えていくけど住める人は減っていくし。

久野

でもやっぱり東京は面白いですよ。ビジネスチャンスもたくさんあるし。僕もいずれは住んでみたいです。

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久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

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