「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。
26通目/大野からの返信
「論点をズラサナイデ!」
論点をズラサナイデ!詰まるツマラナイを論じたい訳ではない。歌が大好き。歌手になりたい。でも私は歌が下手だ!という解釈がある。さて、どうする?
問題なのは多くの場合、この解釈が事実の如くその人の中で扱われ続ける事です。又、バスケの名コーチ、ボビー・ナイト曰く「勝つ意欲は大して重要ではない。そんなものは誰でも持ちあわせている。重要なのは、勝つために準備する意欲である」と。
僕が思うに未来の創られ方は二つあって、放っておいても起こる未来と、意図的に不自然な努力をして起こす未来。そして、制御可能(過程/準備)と不可能(結果)の区別は、究極、どんな人間で在りたいのか?この問いを呼び覚ましてくれる筈です。
前回25通目/安田「その手法はツマラナイ!」
練習時間がゼロだから歌が下手である、という事実にフォーカスする。そりゃそうなんでしょうけど、その手法はつまらないです。勉強ができないのは「私が努力してないからだ」ってことでしょ。そんなの当たり前じゃないですか。走るのが遅いのも、給料が安いのも、私の努力が足りないからだ。努力すれば今より早く走れるし、今より給料が増える。そりゃそうですよ。でもそれは解決策とは言えません。問いが重要であることには賛同しますが、問うべき内容を間違えてます。正しくは「私は早く走る必要があるのか?」「なぜ私はこの仕事をやっているのか?」という問いではないでしょうか。どこにフォーカスするかで答えは変わる。
ー安田佳生より
前々回24通目/大野「自分が知っている『今の自分』なんてごくごく一部でしかない」
自分の都合のいいように解釈しようぜ!っとは一切思っていません。むしろそれを僕は似非ポジって呼んでいます。
ただ、言えることは世界中の何もかも総てを知悉している賢人でない限り、神と通信でき、神から直接コーチングを受けているんだって人でない限り、自分が知っている今の自分なんてごく一部でしかない。私という人間はこうだ!コレが自分だ!の様な今見えているものが全てという態度だとしたら傲慢極まりない。
ちなみに解釈(歌が下手)ではなく事実(練習時間0)にfocusして問題解決するのが健全だって事が言いたかったのです。次は制御可能か不可能かの区別をつける事。このステプップを突き詰めるとあるものが見えてきます。
ー大野より
交換日記をする二人
●火曜日
安田佳生(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
http://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/