人間交換日記 90通目「自分が世の中のために働いていない状態?」大野

人間交換日記

「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。


90通目/大野からの返信
「自分が世の中のために働いていない状態?」

エゴはかなり策略家で、僕たちの許可を得ることなく、恐怖を生み、恐怖に支配された状態の時に人は自己中心的になりがちです。また、ついつい他の人を小バカにしたり、あるいは通勤途中や仕事中にしかめ面をしたり、はたまた今風に言えば、炎上に安易に参加してしまっている時、つまりはネットで人を裁いている時など、それは決して自分が世の中のために働いていない状態を意味します。有難いと思っていないものを愛することはできません。恐怖は有難いと思うことを不可能にします。そして、僕たちが不可能な状況にいる唯一の理由は、不可能な状況にいることが可能であると僕たちが考えるからです。まぁ、きっとそれがエゴの戦略ですが。

前回89通目/安田「身近な人の笑顔」

大野さんへ

結局そういうことになりますよね。私も55年生きてきて辿り着いたのはそこです。自分の周りにいる人。少しでも自分が関わっている人。そういう人たちをほんの少しでも笑顔にするお手伝い。やり方は人によって違うんでしょうけど。でもやるべきことはみんな同じ。コツコツと人のお役に立てるよう頑張る。たぶん人生の目的ってそれ以外には無いんでしょうね。なのにそれに気がつくのはこんな歳になってから。何とか残り少ない時間を誰かの役に立てるように頑張る。でもちょっと油断すると、やっぱり自分のエゴや利益のために頑張ってしまう。どこまで行っても、何歳になっても、人間とは愚かなものです。

ー安田佳生より

 

前々回88通目/大野「本来警告を鳴らさなければならないのはコロナより…」

安田さんへ

連日のコロナの報道で、僕はいつになく違和感を感じております。
1万9959人。この数は昨年一年間に自ら命を絶った人の数です。来る日も来る日も54人の方々が毎日死んでいっています。ここ数年毎年。本来警告を鳴らさなければならないのはコロナより、この状態を生み出している社会の方です。
僕はコーチングセッションという場を借りてことあるごとに訴えているのは、悲しみを打ち明けられる存在になって欲しいという事なんです。ビジネスの目標に対してKPIが大事だと言うが、それは実は数値ではない。「身近な人の顔つき」に現れる。あなたの大切な人、関わる人はどんな顔つきで生きているだろうか?です。それを今強く問いたい。

ー大野より

 

これまでのやり取り

交換日記をする二人



火曜日
安田佳生(やすだ よしお)

1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/

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