「すべての人は、すごい可能性を秘めている」と信じる大野と、「多くの人は目的などなくただ存在しているだけ」と断ずる安田。人間の本質とは何か。人は何のために生きているのか。300文字限定の交換日記による言論バトル。
130通目/大野からの返信
「そもそも質問にどんな力が備わっているのか」
この文脈が決定的だというのがつかめて来ると、おっしゃる通り違いが生み出しやすいですよね。同様に質問もすごくパワフルです。なぜ、質問する側が結果的に会話の主導権を握るのか?そもそも質問にどんな力が備わっているのか。質問はまず可能性を拓くという要素がある。また相手がどのように知覚して、それをオーガナイズしているのかを見つける事を助けてくれる。またピントをどこに合わせているのかもうかがい知れる。同時に時制。勿論、記憶にもアクセスできます。そして、様々な状態を経験できるし、それを強化したり、弱めたりもできる。つまり質問が持つ前提が情報を形づくる。質問する側が相手の情報処理の仕方を形づくっている訳です。
前回129通目/安田「これは深いです」
なるほど。確かにいますね。やたらポジティブな言葉を使いたがるけど実はネガティブな人。それは文脈を見れば明らかだと。これはきっと言葉どおりの文脈ではなく「人生の文脈」が大事ということでしょうね。どうやってその言葉にたどり着いたのか。その言葉の裏側にどういう想いとストーリーが込められているのか。同じシーンで同じ言葉を使っても、人によってその重さも意味も違います。それはきっと人生の文脈が違うからなのでしょうね。そう考えると、やはり重要なのは人生の意味を読み解くことですね。自分の人生がどういう文脈で出来上がっているのか。そこを理解する。その上で使う言葉を吟味してチョイスする。これは深いですね〜。
ー安田佳生より
前々回128通目/大野「あなたはどんな中にいると思っているのか?」
僕も本当にそう思います。ただポジティブの言葉に変換しとけばそれでいいか?と言われるとそうでもない。コンテキスト(分脈)が意味を形創るからです。コンテンツ(何を言うか)も大事ですが、言っている言葉の意味は言っていることではなく、コンテキストが決定的に優先してしまうから。りんごひとつとって見ても、それが聖書の中で語られるのとウィリアム・テル物語で語られるのでは意味が全く変わります。あるいは白雪姫でも違うし、万有引力の分脈でもコンピューターという分脈によっても意味するものが変わります。つまり、あなたはどんな中にいると思っているのか?どんな文脈でその言葉を使っているのか?が重要です。
ー大野より
交換日記をする二人
●火曜日
安田佳生(やすだ よしお)
1965年生まれ、大阪府出身。
2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。
●金曜日
大野栄一(おおの えいいち)
株式会社一番大切なこと 代表取締役
https://ichibantaisetsunakoto.com/
https://www.sugoikaigi.jp/coach/eiichiono/