GlobalPicks 〜海外の情報を読み解いて、ビジネスに付加価値を投薬する方法〜 著者:小出 紘道
今週からはMcKinsey(マッキンゼー)が年初に寄稿した記事から、コロナ後のNext Normal(ニューノーマル)を考えたいと思います。
今週の記事はこれ
↓
The next normal arrives: Trends that will define 2021—and beyond
(ニューノーマルがやって来る:2021年とそれ以降の世界を決定づけるトレンドとは?)
2021年以降のニューノーマルを定義づけるいくつかのトレンドがリストアップされています。
先にリストを提示しておきます。
・The return of confidence unleashes a consumer rebound
・Leisure travel bounces back but business travel lags
・The crisis sparks a wave of innovation and launches a generation of entrepreneurs
・Digitally enabled productivity gains accelerate the Fourth Industrial Revolution
・Pandemic-induced changes in shopping behavior forever alter consumer businesses
・Supply chains rebalance and shift
・The future of work arrives ahead of schedule
・The biopharma revolution takes hold
・Portfolio restructuring accelerates
・Green, with a touch of brown, is the color of recovery
・Healthcare systems take stock—and make changes
・The hangovers begin as governments tackle rising debt
・Stakeholder capitalism comes of age
リストアップしてみたら、13個もありました。。。
そして、眺めてみてわかったのが、単に「消費者の行動」の変化にとどまらず「経済」そのものの変化という視座のようです。まあMcKinseyのレポートなのでそうなりますね。
早速見ていきます。
・The return of confidence unleashes a consumer rebound
(消費者の確信が戻ったら、消費のリバウンド現象が起きる)As consumer confidence returns, so will spending, with “revenge shopping” sweeping through sectors as pent-up demand is unleashed. That has been the experience of all previous economic downturns.
→
消費者の確信が回復したら、支出も増加して、いわゆる「リベンジショッピング」がセクター全体に広がってpent-up demand(停滞した需要)が解き放たれる。このことは過去の全てのeconomic downturns(経済の停滞)に共通する経験である。
確か以前も紹介しましたが“revenge shopping” は覚えておいたほうがいいですね。
これまで消費出来なかった分の「リベンジ」として使いまくるようになるでしょう、ということです。
そして、その「リベンジショッピング」は『confidence(確信)』が戻ったら始まるだろう、という考察ですね。
気になるのは『confidence(確信)』は「どうすれば戻るのか?」という点と、それは「いつになるのか?」という点ですね。
前者についての言及は残念ながらありませんでした。ここは言及してほしかったですね。
例えば「ワクチン接種率が●%以上」とか「WHOの終息宣言」とか「メディアがPandemicを取り上げる割合が●%以下になったら」とか、いくつか考えられます。個人的には「メディアが流すコロナニュースの割合が一定以下になる」までは、消費者のconfidence(確信)の回復は実現しないと思っています。なので「コロナ関連ニュースの割合」がKPIだと思っています。
「いつになるのか?という点については下記のように言及されています。
That isn’t to say that consumers will act uniformly. McKinsey’s most recent consumer survey, published in late October, found that countries with older demographics, such as France, Italy, and Japan, are less optimistic than are those with younger populations, such as India and Indonesia. China was an exception—it has an older population but is conspicuously optimistic.
→
消費者が一律で行動するとは限らない。マッキンゼーの調査では、フランス・イタリア・日本などの人口構成が「年配寄り」の国は、インド・インドネシア・中国よりも、将来の「楽観度」が低い傾向にある。中国だけは人口構成が「年配寄り」にもかかわらず非常に「楽観的」な結果であった。
「いつになるのか?」は国によって異なるだろう、ということですね。「人口構成」によって異なりそうだ、と。そしてどうやら、日本は人口構成的に「消費者の確信が戻る時期は諸外国と比べてかなり遅くなるだろう」ということみたいです。あとはお約束の「中国だけは例外だ」説がここでも展開されていました。
ということで、まとめると
↓
「今回の消費停滞もこれまでの景気停滞と同様に、いずれリバウンド現象が起きる。それはリベンジ消費という形で実現(確信が回復すれば)するが、それがいつになるのか?は国によって(人口構成比率による)異なる。日本ではこのリバウンド現象が起きる時期はかなり遅くなるだろう(年寄りおおすぎ問題)」
という感じでしょうか。
本業ビジネスでは「マーケティング&戦略コンサル」の仕事と、「高付加価値情報提供サービス」の仕事をしています。本コラムは後者の「高付加価値情報提供サービス」の初級編としての入り口となればいいな、と思ってます。世界の誰かが”既にかなり研究したり、結論を出している”にも関わらず”日本では流通していない数値情報や文字情報”がたくさんあります。それらの情報を、日本のマーケットにフィットするように編集・分析すれば「競合他社」や「競合他者」を出し抜ける可能性が高まります。法人向けのサービスとなっていますので、詳細はFace to Faceでお伝えしますね。
小出紘道 (HIROMICHI KOIDE)
◆株式会社シタシオン ストラテジックパートナーズ 代表取締役社長 http://citation-sp.co.jp
◆株式会社シタシオンジャパン 取締役会長 http://www.citation.co.jp
◆株式会社 イー・ファルコン 取締役 http://www.e-falcon.co.jp
<いわゆる経歴>
・2000年 株式会社東京個別指導学院に新卒で入社して、11ヶ月だけ働いてみた(→早めに飽きた) ・2001年 イギリスに行って、University of Londonで経済と国際関係を学んだり、Heriot-Watt Universityで経営学(MBA)をやってみた(→めちゃくちゃ勉強した)。この間に、イギリス人の友人とロンドンで会社を作ってみた(→イマイチだった) ・2003年 シタシオンジャパン社でマーケティングをやり始めてみた(→ろくにエクセルも使えなかった) ・2007年 シタシオンジャパン社の代表取締役社長になって経営をやってみた(→やってみてよかった) ・2018年 シタシオンジャパン社の社長を仲間に託し、引き続き会長としてコミットしつつも、シタシオンストラテジックパートナーズ社を設立してみた(→今ここ)
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