日曜日には、ネーミングを掘る #031 広島のなかに生きるヒロシマ

学生時代の友人が、
生まれて初めて
公(不特定多数の目に触れる)の
文章を書いた。

旅の体験記だという。

ヤスオくん、
読んでみてくれない?
わたし、こういうの
はじめてなので不安。
こんな文章でいいのかな。

LINEで届いた文章を読んでみる。

そこには、
今年の8月6日から3日間、
彼女が広島を訪れ、
見たこと、感じたことが
書かれていた。

広島は
彼女の出身地であり、
彼女は被ばく二世である。

2500文字ほどの
それは抑制された
とても良い文章だった。

静かな湖面の底に
悲しみが揺れて見えるような。

いいね。
いや、ほんと、
お世辞抜きにそう思う。

ひとつだけ。

この体験記に、
題を付けちゃだめなのかな?

僕は、
彼女が書いた文章のなかから
好きな一節を抜き出して、
ほんの少しだけ手を入れて
彼女に送った。

それが、
今日のブログのタイトル。

2件のコメントがあります

  1. 9月22日に、広島に行きました。
    原爆資料館では、多くの外国人が、
    画像や映像、資料に見入っていました。
    ヒロシマ、を忘れていない人は、70年以上経た今でも
    世界中にたくさんいますね。

    アランレネ監督の仏映画
    『ヒロシマモナムール』(1959)で、
    主演の岡田英次が、資料館や原爆ドームを巡る
    フランス人記者に言い放つ一言。
    「あなたは、広島を見ちゃいない。」

    あの言葉の矢は、
    今の日本人に向かって飛んできそうです。僕を含め。

  2. 伊藤さん、コメントありがとうございます。

    広島には何度も訪れたことがあり、
    原爆ドームには足を運んでいるのですが、
    まだ原爆資料館を訪れたことはありません。
    きちんと行かねばならないなと思っています。

    友人が書いた文章のさわりを送ります。
    心に残る文章でした。

    8月6日は広島に原子爆弾が投下された日です。広島では毎年この日の朝、平和記念公園で記念式典が執り行われます。73年前のあの日と同じように、今年もよく晴れた暑い一日の始まりでした。公園内とその周りは、日本をはじめ各国の人々で溢れんばかり。その喧騒とは反対側に2分ほど行った先、平和記念公園とは川一つ隔てた大手町の島内科医院の前に、私はいました。そこに集まっていたのは20〜30名くらいでしょうか。どなたかが時報を響かせてくださり、原爆投下時間の8時15分に全員で静かに黙祷を捧げました。私的な旅行で来ているというチェコの軍人さんが、黙祷ではなくピンと背筋を伸ばして敬礼を捧げていらしたのが印象的でした。
     島内科医院が建っている場所は、爆心地です。73年前、この医院の上空600mのところで人類史上初の核兵器が炸裂しました。

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