今週は!
5月11日、
イタリアの水上都市ヴェネツィアで、
2年に1度の美術のお祭り
「ヴェネツィアビエンナーレ」が
開幕しました。
いまは世界中どこもかしこも
美術展ばやりですが、
今回で58回を数える
ヴェネツィアのそれは
100年以上の歴史と伝統があり、
影響力も大きいとされています。
このブログでも、
ときどき美術のことを書いていますが、
このような美術展で掲げられるテーマは、
少し先の時代の指針となる場合が多く、
それを感じとるのも美術展に足を運ぶ
楽しみのひとつでもあります。
今回のヴェネツィアが掲げたテーマは
「May You Live in Interesting Times」
日本語に訳すと
「あなたがおもしろい時代を
生きていけますように」
という感じでしょうか。
(アート情報を扱うART iTという
ウェブサイトではInteresting Timesを
“数奇な時代”と訳しています)。
このテーマを見たときに思ったのは、
「あ、これって、
いま会社で働いている人たちに
伝えてあげたいメッセージだよね」
ということでした。
というのも、最近、
会社が定める行動指針や行動基準
というものに対して、息苦しさを
感じてしまうことが度々あるからです。
正直に、謙虚に生きる
思いやりと感謝で人と社会に尽くす
地道な努力を惜しまない
時代の変化に心を開く
広く世界に目を向ける
お客様とともに成長する
こういった文言が
いわゆる行動規範と呼ばれます。
確かに外に向けては
大切なことなんでしょうけれど、
大体がどこも一緒で、
(人を欺き利益のみを追求せよ
変化は無視して我が道をゆけ、
なんてことを行動規範にする
会社はないですからね。
あればおもしろいんですけどね)
働く人たちにとっては
あまり意味のないこと
なんだろうなぁと思うわけです。
だったら、いっそ、
規範とか基準で
働く人たちを縛るのはやめて、
働く人たちへの願いを
発信しちゃった方が
いいんじゃないかなって思うのですね。
ヴェネツィアビエンナーレ流にいえば、
〈私たちの願い〉
私たちの会社に
参画してくれてありがとう。
Thank you, join us.
あなたがおもしろい時代を
生きていけるようにと願っています。
May You Live in Interesting Times.
働く人たちだって
こんなふうに言ってくれたほうが
きっと気持ちが楽になるだろうし、
やる気だって出るんじゃないかって
思うんですけどね。
私、間違ってますかね。