日曜日には、ネーミングを掘る ♯090 muwaku(ムワク)

今週は!

今年の自分仕事を振り返る年末企画、第三回目。今回ご紹介するのは、宮城県仙台市に本社を置く一級建築士事務所、スタップ株式会社さんのリノベーションブランドです。

こちら、漢字で表現すると「無枠」。つまり枠に囚われない自由な発想のリノベーションブランドという意味合いを込めています。

ネーミングを考えていくにあたっては、社長の大川勝さんとお話をさせていただいた際の素朴な驚きが原点になっています。どんな驚きだったかと言いますと、家は「減築」できるということです。

恥ずかしながら、私はそれまでリノベーションには現状のまま新しくするか、増築するか2つの選択肢しかないと思っていました。

しかし「減築」というもう1つの方法があることを知り、「なるほどリノベーションというのは、意外になんでもありなんだな」と思ったところで、無枠という名前がすとんと落ちてきたのでした。

さらに、大川さんから「建物を減築するには、新築以上の技が必要なんです」というお話もお聞きし、ブランドのコンセプトも固まっていきました。

メインメッセージには、六本木の国立新美術館で開催された『安藤忠雄展』(2017年)で出会った言葉を、そのまま使わせていただいています。安藤さんは、プンタ・デラ・ドガーナ(イタリア・ヴェネティア)やブルス・ドゥ・コメルス(フランス・パリ)など古い建物を生かした作品も多く手掛けていますが、『muwaku』というブランドの精神そのものであるように感じたからです。

オーソドックスなネーミングですが、堂々としていて、大きく育ってくれそうなところが気に入っています。ウェブサイトは、こちらです。よろしければ

https://muwaku.com/

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