♯164「かがやく農国へ」

今週は。

アイアグリという、農業関連商品の販売と農業支援を行っている企業の理念整理を担当させていただいた。

稲作農家に生まれ、娘が北海道内の農園に嫁いだこともあり、農には多少なりともかかわりを持つ身であるが、これまで仕事縁はなく、今回が初めてであった。

農林水産省がこの4月に発表した「農林業センサス」よれば、全国の農業従事者数は約152万人。15年比で23.1%減。とくに49歳以下の減少幅が大きい。苗代づくりから稲刈り、脱穀まですべてが手作業だったボクらの子ども時代と違い、農作業の機械化はずいぶん進んでいるが、いまだ大変な労働であることに変わりはない。こうしたことが割り合わなく思え、若い世代に敬遠されているのだろう。

一方、希望もある。

娘が嫁いだ真狩村などはその例だろうと思っている。ムコさんに自農園を車で案内してもらったことがあるが、GPSとAIを活用した自動耕作の研究を行っている一角があった。村の未来を見据え、若者たちが中心となって取り組んでいるとのことだ。

ムコさん家が、また面白く、入植後一代ごとに何か新しいことを始めるという家訓のようなものがあるらしく、ムコさんと娘の代ではワイン造りに挑戦してみたいと言う。小樽のワイナリーから株を分けてもらい育成中の葡萄畑にも案内してもらった。「自分たちの代で真狩初のワイナリーができたら」と、20代の若者夫婦は目を輝かす。

ボクは農業から逃げ出した人間なので、偉そうなことはとても言えないが、農業の衰退は、食料自給率を含めて「みずほの国」の基盤を揺るがす根本課題であることは多くの日本人が承知のことだろう。

「かがやく農国へ」

少し思い入れが強すぎたのかもしれないが、この国にそんな日が来ることを願ってやまない。

アイアグリ株式会社:https://www.sinsingr.co.jp/

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