このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。
未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。
ー 第20回 旅行ビジネスの未来マーケットを考える その2
井の頭線「高井戸」駅から3分の場所に天然温泉があります。
毎月通う お気に入りの場所です。
私はこの温泉に入るたびに、おばあちゃんとの温泉旅行を思い出し、
そこから手繰り寄せられるように おばあちゃんの記憶が甦ります。
おばあちゃんは、仕事と遊びをミックスするような人でした。
お菓子1000円購入ごとにシールを渡し、10枚たまると貸し切りバス「旅行」にご招待。
趣味も実益も満たせる企画です。
今では当たり前の懸賞キャンペーンですが、50年前に個人商店が実施していたのですから、さぞ珍しかったことでしょう。
仕事も家事も育児もこなすスーパーおばあちゃん。
でも、時に辛いこともおこります。
当時中学生だった長男を亡くした時。
親戚から引き取った養女が事故で片足を亡くした時。
もう大人になっていたけれど、心不全で次男を亡くした時。
「親より先に亡くなるなんて」
めったに見せない涙をその時は目にしました。
江戸っ子じゃないのにチャキチャキで、
おじいちゃんとの口喧嘩を楽しむ強さがあって
誰に対しても面倒見がよく、
おしゃべりなのに愛嬌があって、
歌舞伎役者にはめっぽう弱く、
すぐに頬を染める乙女さがあって
人懐っこくて 明るくて かわいくて
快活で 負けず嫌いで 頑張り屋で、
そして、いつもどんな時も、必ず家族のことを一番に考えてくれた、おばあちゃん。
亡くなってからもう10年がたちました。
先週から振り返ってきた おばあちゃんの人柄や一緒に過ごした思い出ですが、この「思い出」こそが旅行ビジネスにおいてユーザーが求める本質の一つです。ただし、「思い出づくり」はビジネスターゲットとするには広すぎます。
次回、権利の空き地から「思い出づくり」と掛け合わせる まだないコンセプトを探します。
どんなコンセプトが見つかるか、ぜひ皆さんも一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
(↓クリックやピンチアウト拡大しご覧ください。)
この記事を書いた人
八重田 貴司(やえだ たかし)
外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。
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