第26回「リアルタイムにアドバイス?運動靴のミライとは?」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 26  リアルタイムにアドバイス?運動靴のミライとは?

運動不足を解消しようと久々にランニングをしたけれど、膝や腰を痛めてしまった皆さん!
私も仕事帰りに最寄駅から走っただけで、膝が痛くなる始末。情けない。。。
でも、この発明があれば痛みや怪我のリスクが低減されるかもしれません!


特開2020-124595号(出願人:株式会社ノーニューフォークスタジオ)
【発明の名称】歩行教示システム、歩行教示方法
【要約】ユーザーに対してよりよい歩行方法を提示する歩行教示システムを提供する。


いわゆるスマートシューズの発明です。
我々は意識せずに自分のフォームで歩いたり走ったりしますが、それが身体の負担になっている場合があります。特に、久々に運動をする場合やヒールの高い靴を履く女性の場合は、怪我につながることもあります。
スマートシューズの中にはセンサーが内蔵されており、足の角度や速さを検出します。理想とされる歩行データと比較をし、適切な歩行方法をリアルタイムで提示します。例えば、ベタ足であると解析した場合には踵から歩くように助言したり、左右の足の接地時間が異なる場合にはそれを矯正するアドバイスをしたりします。

未来コンパスが指すミライ

本発明は怪我の予防を目的にしていますが、アイデアの肝である「センサーによる現状把握」&「リアルタイムな改善提案」を深堀りすると、他のビジネスへの広がりが見えてきます。

スポーツコーチの補助
スポーツで成果を上げるためにコーチがいます。
ただ、自主練の時に「あれ?このやり方あっているかな?」と不安を抱きながら練習した経験をお持ちの方も多いはず。せっかくコーチに習っても間違った自主練を続けて変な癖がついたら台無しです。
解析したデータに基づく助言があれば、ただの自主練を「成果につながる練習」に変えることができます。
足の運びがパフォーマンスを左右する競技、例えばマラソンやサッカー、スキーに最適です。

姿勢の改善
パソコン仕事のために肩や腰がガチガチにこっている方も多いはず。
靴とあわせて椅子にセンサーを付ければ、足・腰・背中・頭の位置が把握でき、PCスクリーンに正しい姿勢への助言がリアルタイムで表示されます。
姿勢は集中力に直結すると言われます。「仕事の成果があがる椅子」が発売されるミライも近いかもしれません。

このように、発明から抽出されるエッセンスは同じでも、適用される業界によりビジネスの形は変わります。「センサー」「問題みえる化」「リアルタイム改善提案」といったキーワードが御社の業界と縁遠ければ、まだないマーケットを見つけるチャンス。そこがミライの「小さなブルーオーシャン」です。

 


 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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