このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。
未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。
ー 第43回 「これからの働き方を助ける事務サービス」
前回のコラムにて会社だけに軸足を置かない働き方を紹介しました。
私はこの働き方が面白いと思っていて、特に企業内にいる士業にはオススメです。
自分には当然の知識がベンチャーにとっては金言になったりします。
弁理士の場合、世の中でまだ実現されていない事業(技術やコンセプト)で、かつ、競合が権利化していないエリアを探し、保護を図ります。これは、ビジネスの成否に直結しますし、将来 事業を売却することになれば評価額にも大きな影響を与えます。やりがいがありますね!
ただし、やってみると分かりますが、事務的な作業の負荷が思いの外あります。
士業の場合、行政対応が多いので、手続き方法が特殊だったり、インターネット黎明期のようなユーザーに優しくないUIに対応しないといけなかったりと、想像以上に時間がとられます。
未来コンパスが指すミライ
特許庁のデータベースを調べると「事務の代行」サービスについて商標「事務シェアリング」が登録されていました。世間で使われていそうな言葉ですが、商標権(=独占権)が取れていますね!
商標登録第6186254号
【商標】事務シェアリング(権利者:アネアス株式会社)
【指定役務】経理事務の代行、輸出入に関する事務の代理又は代行、インボイスの作成に関する事務の代行 など
ウェブページによると、アネアス社が提供する「事務シェアリング」は、建設業界に特化しているようですが、一般に事務代行サービスは、「専念したい付加価値の高い業務がある」「個人で仕事をしている」「業務に充てる時間が限られている」というケースに最適です。まさに社外活動をする企業内士業との相性バツグンです。
もし私が、弁理士向けの事務代行サービスを始めるなら、休職中の事務員さんと、個人事務所の弁理士に声をかけ、仮想の共同事務所を立ち上げるでしょう。
複数の弁理士が事務員を雇う共同事務所はすでに存在しますが、コロナ禍で事務所に出勤したくない方、場所や時間に捕らわれず能力を活かしたい方には適しません。「仮想」の共同事務所の場合、必ずしも物理的なオフィスに出社する必要がなく、各弁理士も事務員もリモートワークをする環境を目指します。
リモートワークなら、そもそも共同事務所の必要がないのでは?と思われるかも知れませんが、個人事務所の弁理士の場合、特許庁への出願手続をするには各人のマイナンバーカードが必要です。
事務員さんに出願事務をお願いするとなると、出願の度に事務員さんにマイナンバーカードを届けるか、事前にマイナンバーを預けておく必要が生じます。前者は一日を争う知財実務には向きませんし、後者は万が一悪用されるというリスクを完全には排除できません。
共同事務所であれば、事務所として一つの証明書類で出願が出来ますので、この問題が解決できます。
もちろん依頼内容やクライアント名は本人限りとして、秘密情報が他の弁理士に共有されないような仕組みは必要でしょう。
専門性の高い法律事務を任せたい時に依頼するだけ。どなたか一緒にやってみませんか笑!?
この記事を書いた人
八重田 貴司(やえだ たかし)
外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。
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