第51回「近くの異業種から探るミライ」

このコラムについて
世の中の情報は99%が「現在」または「過去」のものでしょう。たった1%の未来情報をつかめる人だけが、自分のキャリアやビジネスを輝かせるのです。でも、未来情報なんか手に入らないよ!と思ったアナタ。ご安心を。もしアナタが古い体質の会社に勤めているなら超ラッキー。そんな会社の経営者ならビジネスがハネるかも。

未来コンパスが、あなたの知らない未来を指し示します。

 第51回  「近くの異業種から探るミライ」

10年にわたり100を超えるゴルフレッスンを受け続けて分かってきた事は、「自分にはセンスがない」ことと「レッスンに使う機器が劇的に進化した」と言うことでした。

ボールの弾道やスピン量を正確にはかる弾道計測器。
スクリーン上にスイング軌道を表示させるセンサー。
スイング中の身体動作を細かに捉えるモーションキャプチャー。

ゴルフが上達すると言われた機器は漏れなく試しました。
レッスンに関しても、グループ、プライベート、ラウンドレッスンとあらゆる種類のレッスンを受けてきました。それでもスコア100前後のエンジョイゴルファーの私(笑)。もうスコアアップは諦めていました。
ですが、この発明を応用すれば、新たなレッスン機器ができそうな予感。懲りずにスコアアップの夢を見てしまいそうです!

未来コンパスが指すミライ


特開2021-37168号(出願人:ヨクト株式会社)
【発明の名称】運動解析システム、運動解析プログラム、及び運動解析方法


これはセンサーを内蔵したマットに関する発明で、主にヨガで使用することを想定したものです。ポーズをとる際に、体重がどの程度どの部分にかかっているかをリアルタイムに反映します。

なぜこの発明がゴルフに良いかというと、体の重心位置がスイングの安定性に大きく影響するからです。
スイングを安定させるためには、決まった場所にクラブが降りてくる(クラブの最下点が一定である)ことが肝。クラブの最下点が、ボールよりもやや目標方向に降りてきて、クラブフェースの向きがまっすぐであれば、たとえスイング軌道がアウトサイドインであろうがインサイドアウトであろうが、ほぼまっすぐ飛ぶというのが最近のゴルフ理論です。
その理想のクラブ最下点を作るには、スイング後半に体重が左足に乗っていなければなりません。右足に体重が残っていると、最下点がボールよりも手前になり、ダフリやトップが起こります。理屈は解っているんですけどね・・・。

従来の機器は、スイングの視覚的な改善には役立ちますが、力のかけ方についてまでは把握することが出来ませんでした。望ましいスイングの見た目は分かっても、それを生み出す正しい身体の使い方までは把握できないのです。
もちろん、このマットですべての改善は期待できませんが、体重位置を可視化して、自分にあったスイングに近づくのは間違いありません。

さて、ゴルフとヨガは、エクササイズという点では近く、中身の点では異なる、いわば“近くの異業種”と呼べる関係です。
私がスコアアップしているミライが来るかは分かりませんが、“近くの異業種”の発明に注目すれば、自社ビジネスのミライを開くヒントにはなるはずです。

 

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 この記事を書いた人  

八重田 貴司(やえだ たかし)

外資系企業/法務・知財管掌。弁理士。
会社での業務とは別に、中小・ベンチャー企業への知財サポートをライフワークとする。クライアント企業が気づいていない知的財産を最大化させ、上場時の株価を上げたり、高値で会社売却M&Aをしたりと言った”知財を使って会社を跳ねさせること”を目指す。
仕事としても個人としても新しいビジネスに興味があり、尖ったビジネスモデルを見聞きするのが好き。

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