このコンテンツについて
なぜこんなツマラナイものにこだわるのだろう。そういう「ちょっと変わった人」っていますよね。市川さんはまさにそういう人。でもそういう人が今の時代にはとても大事。なぜなら一見ビジネスになんの関係もなさそうな、絶対にお金にならなそうなものが、価値を生み出す時代だから。凝り固まった自分の頭をほぐすために、ぜひ一度(騙されたと思って)市川ワールドへ足を踏み入れてみてください。
あっさり印象操作される私たち
デニム(Gパン)1本を作るのには、数千から1万リットルもの水が必要
・・・らしいですね。
テレビ番組で、サスティナブルファッションとかを取り上げてたんです。
その番組では、デニム1本を作るのに7,000リットル以上の水が必要・・・だったかな、って紹介されてて、芸能人たちは「嘘でしょ!?」「えー!!!」って反応するわけです。(まぁ、それが仕事ですからね)
さらに番組では、「えー!」「わー!」みたいな声の演出も追加されてね。
これをボーッと眺めてた僕は違う意味で、「えー!!!」でした。
聞いた人の中には、脊髄反射の如く「けしからん!そんなに水を使ってたのか!」って思う人もいますよね、きっと。
まぁ、そういう演出でしたからね。
だって、「7,000リットル」とかのテロップは出てても、他に何の説明も無いんですよ。
口頭での説明も無し。(編集でカットされているのかもですが)
そもそも、デニム(Gパン)を作るためのデニム生地があって、そのデニム生地は綿で作られてるんですよね。
一般的なデニムならインディゴブルーに染色されるわけです。
つまり、この「7,000リットル」って数字は綿花の栽培のところから始まっているわけなんですよ。
でも、そんな風に一々「ちょっと待てよ」って想像する人ばかりじゃないですよ。
有無を言わさず「Gパン1本=7,000リットル」ってやるわけですし。
となると、「何だかよくわからないけど、すごい水の量だぞ!けしからん!」・・・となるのもわからんではない。
さらに、7,000リットルって言っても、僕らが飲み水に使うような水ばかりじゃないですよ。
雨水がどれくらいかとか、その内訳も示されないわけです。
出された情報をそのまま受け取って、何も考えずに反応すると恐ろしいですよね。
だって、デニムを悪者にしてサスティナブルファッションを相対的に引き上げてるわけですから。
そういう印象操作をあっさり受けちゃってるわけです。
ちなみにですが・・・
お茶碗一杯(一膳)のごはんを作るのに必要な水の量は450リットルだそうですよ。
例えば、これ言うとひんしゅくをかいそうですが・・・
コロナの陽性者数で大騒ぎしますよね。
あれも同じだって思うんです。
「ドンドン増えているじゃないか!けしからん!」ってなる人多いですよね。
前述のメディアのやり方と同じで、衝撃的かつ深刻な演出も入るので余計にそういう印象になるのかもしれませんね。
「◯ヶ月前と比較して◯パーセントも増加!」・・・みたいなね。
ちなみに、「煽る」場合、一番ショッキングな結果が出る数値同士を比較すると良いですよね。
さらに、グラフもXY軸の幅なんかをちょっといじるだけで急上昇のグラフはできあがりますよ。
つまり、いくらでも印象操作はできちゃうわけです。
でも、情報の受け手は多くの場合、素直に反応しますよね。
僕はブランディングのお手伝いやっている手前、「印象操作」って観点で色んな物事を見ちゃうんですよね。
つまり、コロナはメディア総出でブランディングをやっているんですよ。
企業のブランディングって目的があるわけですが、コロナのブランディングで何がやりたいんでしょうかね?
そもそもメディアが煽っている「陽性者数」って何の数字なのか?
「PCR検査」って何が分かるのか?
「感染」と「発症」の違いは?
とかギモンを持っていくと、「陽性者数」だけをショッキングな演出とともに扱うメディアは何がしたいのか?ってギモンが沸いてくるわけです。
ある商品やサービスを「50%OFF」にするか?「二分の一の確率で無料」ってするか?
これ、同じことですよ。印象はちょっと違いますよね。
もちろん、どっちが適しているかはケース・バイ・ケースですが。
残価設定型のローンをお得に感じるのも様々な印象操作のおかげですよね。
注意深く見ていくと、日常でもそういうの沢山ありますよ。
数字を出されると妙に納得しちゃいますけど、ちょっと立ち止まって考えてみるって大事ですよね。
著者/市川 厚(いちかわ あつし)
株式会社ライオンハート 代表取締役会長
https://www.lionheart.co.jp/
LH&creatives Inc.(フィリピン法人) CEO
https://lionheart.asia/
<経歴>
三重県の陶芸家の家に生まれる。
(僕が継がなかったので、父の代で終焉を迎えることになる…)
大学時代、遅めの中二病を発症。経済学部に入ったのに、何を思ったか「ファッションデザイナーになるんや!」と思い立ち、大学を中退。アパレル企業に就職。
ところが、現実は甘くなく、全く使えない僕に業を煮やした社長から、「Webサイト作れないとクビだからな!」と言われ、泣く(T_T)パソコンの電源の付け方も知らなかったけど、気合でWebサイト制作を習得。しかし、実際のところは、言い訳ばかりで全く成長できず・・・怒られて、毎日泣く(T_T)そんな頃、「デザインにも色々ある」と改めて気づいて、広告業界へ転職、広告制作会社のデザイナーとしてのキャリアをスタート。
「今度は言い訳をしない!」と決めて仕事に没頭し、四六時中仕事していたら、黒目がめくれ上がってきて、眼科医から「失明するよ」と言われ、ビビる。2004年勤務先で出会った同僚や友人を誘って起業、有限会社ライオンハートを設立(現 株式会社ライオンハート)。ところが、創業メンバーとあっさり分裂、人間不信に。残ったメンバーと再スタート。
2014年、設立10周年を機に、創業メンバーで唯一残っていた人間を日本法人の社長にし、自身は会長になり動きやすい状態を創る。この頃からブランディングエージェンシーを名乗り始める。
2016年、フィリピン(マニラ)にITアウトソーシング企業(LH&creatives Inc.)を設立。設立準備期間から家族とともに移り住み、フィリピンで3年半を過ごす。
フィリピン人マネジメントを通して、猜疑心の塊になり、性悪説に変わる。
2019年6月、日本に帰国し、日本法人のマネジメントに復帰。社内コミュニケーションを充実させるために席替えしたり、誰も掃除しない椅子をきれいにしたり、「眠いときはしゃべった方が良いよねッ」ってスタッフに話しかけながら仕事をするなど、独自のインナー・ブランディングの理論を実験していたところ、会社の調子が上がった。そもそもブランディングってなんだ?と思っていたところに、BFIの安田さんと出会い、勝手にご縁を感じてコンサルを受けてみる。そしたら安田さんに誘われ、2020年、anote konoteに参加することに。