1000円カットと同じビジネスモデルで成功?〜お医者さんは、なやんでる。 第126回〜

第126回 「1000円カットと同じビジネスモデルで成功?」

お医者さん
お医者さん
ああ、絹川さん、ごめんねわざわざ来てもらっちゃって。
いえいえ、とんでもない。こうやってお医者さんの相談に乗るのが私の仕事なので。それで今日はどうされたんです?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
いやね、このあいだ絹川さんにもらったアドバイスを元にいろいろ考えてみたんだ。
お医者さん
お医者さん
そうそう。来院時に診察券のバーコードをスキャンする形にするとか、WEB問診票を導入するとか、そういう事を教えてもらったよね。で、ウチも本格的にそちらに舵を切ろうかと思って。
なるほど。いいと思います!
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うん、ただ、やっぱりもう少し情報が欲しいなと思ってね。システム化の成功事例と言うか、いいモデルケースみたいなものを教えてもらえないかと思って。
なるほどなるほど。そういうことであればかっこうのモデルがありますよ。福岡にある「ゼロマチクリニック天神」というところが、システムをとても上手に使っています。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
へえ、どんなシステムなの?
予約→受付→診察待ち、という従来の流れをすべてデジタル化することで、その名前の通り「待ち時間ゼロ」を実現しているんです。
絹川
絹川
さらに、事前にクレジットカードを登録しておけば、診察後は会計業務をせずそのまま帰れる仕組みになっています。とにかく徹底した効率化を行っているわけです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
それはすごい!患者さんもラクだし、同時に医師やスタッフの仕事も減る。
ええ。まさにウィンウィンの仕組みですよね。患者さんが待たずにすむ=回転率が上がるということですから、結果自然と売上も上がる。こちらの先生は「1000円カットの理容室」に近いビジネスモデルだと表現されてます。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどわかりやすい。
ですよね。ともあれ、こちらのクリニックは「若い世代の女性」がメイン顧客で、スマホ利用へのハードルが低いからこそ実現できている部分もあります。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
確かにそうだね。すごく興味深い事例だけど、そのままウチに流用できるモデルではないかもしれない。
先生のクリニックは比較的高齢の患者さんが多いですし、完全予約制にするデメリットについても話したように記憶してます。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだね。でも、絹川さんが言っていた通り受付をシステム化することはできそうだし、処方箋を診察の場で渡すとか、クレジットカードによる後払いなども取り入れることができそうだ。
そうですね。様々な事例を参考に、自分のクリニックに合ったやり方を見つけていくことが重要なのだと思います。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだな。せっかく自分で開業しているんだから、いろいろ試すべきだよな。患者さんのためにも、自分やスタッフのためにも。
そうですね!では取り急ぎ、受付のシステム化について詳しい資料などをお持ちしましょうか?
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだね。ぜひ頼むよ!

 

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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