「若い世代の患者を獲得する方法」〜お医者さんは、なやんでる。 第85回〜

第85回 「若い世代の患者を獲得する方法」

お医者さん
お医者さん
父からこのクリニックを継いでもう五年か。既存の患者さんたちともいい関係を築けているし、売上的にも安定はしている。
お医者さん
お医者さん
でも、これでは父の時代の遺産で食いつないでいるようなものだ。新規患者の獲得にも力を入れていかないと……
患者さんはどんどん高齢化していきますもんね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そう! その通りなんだ。みな父の時代からの患者さんだからそもそも若くはないし……。って、あなたは一体?
はじめまして、ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
へえ、ドクターアバター。おもしろい名前だね。ちなみに他のクリニックはどうやって新規の患者……特に若い新規患者を得ているんだろうか。
そうですね。まず前提として、どこも若い患者さんの獲得には苦労されていると思います。病院は増えていく一方ですし、それにこのコロナ禍の影響で外出のハードルも上がってしまいましたし。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだろうなあ。……とはいえ、「だからしょうがないよね」では終わらせられないんだ。「父の患者さん」ではなく「自分の患者さん」を作っていかないと、なんというか、自分のクリニックをやっている感じがしないんだよ。
わかります。二代目三代目のお医者さんからよく聞く悩みですね。既存患者さんはもちろん資産だけれど、それに縛られて自分のやりたいことができない状況はしんどいと。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そうだよね。だから何かいい方法があればチャレンジしたいと思うんだけど。
そういう意味で言えば、「新規患者の獲得」と「先生のカラーを出す」ということが同時にできるアイデアがあります。ズバリ、クリニック名の変更です。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
え? クリニック名?
そうです。でも、ただ名前を変えるだけではダメです。先生の掲げるコンセプトがわかるような名前にすることが重要なんです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほど。得意な治療とか、そういうことを盛り込むってこと?
そうですね。それももちろんアリです。でも、もっと発想を自由にして、「とにかく早く治療が終わる◯◯クリニック」とか「お茶を飲みながらじっくり話せる◯◯クリニック」とかでもいいわけです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
おお、なるほどなあ。
こうすることでクリニックのコンセプトが伝わりますし、ネットで話題になれば口コミ効果も期待できます。若い世代に媚びる必要はありませんが、伝える努力は必要だということですね。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
そう言われてみれば、仰るとおりだな。ただ待っているだけで若い人が来てくれるはずもない。まずは話題に上るように、個性的な名前をつけるのもアリだということか。
そういうことです!これまで医療は他業界に比べて世代ギャップの影響は少ないと言われてきました。でも今後は、いかに若い世代にダイレクトにPRできるかが重要になってくるでしょう。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
うん、わかってきたよ。今いる患者さんに対して、薬や検査を乱発して売上を上げる時代ではないってことだね。
ええ。保険診療のビジネスモデルもやがて頭打ちになりますし、早い段階で独自のPR方法を確立していくべきです。
絹川
絹川
お医者さん
お医者さん
なるほどなあ。うん、なんだか霧が晴れた感じするよ。絹川さん、よかったら引き続き相談に乗ってくれない?
もちろん喜んで!
絹川
絹川

医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。


著者:ドクターアバター 絹川 裕康

株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。

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