第97回 「一般のクラウドサービスでも予約管理は可能?」
お医者さん
(カフェでスマホを見ながら)あっ、知り合いからFacebookのメッセンジャーで予約が入った。でも病院に行かないとスケジュール帳が確認できない…
お医者さん
なになに? 状態が悪いからすぐに返信がほしい、って? そう言われても明日以降じゃないと返答しようがないよ。
オンライン予約システムを導入すれば、どこにいてもデータは確認できますよ。
絹川
お医者さん
ん? あっ、あなたは確か絹川さん。ドクターなんとかの。
こんな所で偶然ですね! ご無沙汰してます、ドクターアバターの絹川です。お医者さんの様々な相談に乗りながら、「アバター(分身)」としてお手伝いをしている者です。
絹川
お医者さん
ああ、そうだそうだ、ドクターアバターだ。それにしても、ちょっと恥ずかしいところを見られてしまったな。このご時世に紙とペンで予約管理しているなんて、アナログすぎるよね。
確かに業界的にもオンライン管理が主流になってきていますね。先ほど言ったように、スマホさえあればいつでもデータが参照できますし、ダブルブッキングのようなミスも起こりづらい。
絹川
先生の病院でそういったシステムを導入しないのは、何か理由があるんですか?
絹川
お医者さん
いやね、さすがにうちもシステム化を進めよう、って話にはなってるんだよ。でも、業者さんとのやりとりに時間がかかっていてね。機能を増やせば費用も上がるし。
ああ、なるほど。院内システム自体にオンライン予約の機能を持たせる、っていう方向ですね。確かにそれが一番効率的ですが、一般のクラウドサービスを使うっていう手もありますよ。
絹川
お医者さん
一般のクラウドサービス?
要するに、クラウド上にデータを保管するサービスですね。有名どころだとOneDrive(ワンドライブ)やGoogleDrive(グーグルドライブ)などです。
絹川
お医者さん
ああ、それなら僕も個人的に使ったことがあるよ。そうか、患者さんが直接予約できるシステムを入れなくても、スケジュールさえオンラインで管理できれば、今日みたいな場面でもすぐに返答はできるよね。
そういうことです。さらに言えば、それらに付随してOffice365やGoogleのオフィスサービス(スプレッドシートなど)も使えたりするので、実はかなりの部分までが無料もしくは安価でまかなえてしまいます。
絹川
お医者さん
なるほど、そういう意味では別にすべての機能を院内システムに搭載する必要はないわけか。……とはいえ、セキュリティ面などではちょっと不安があるなあ。
そうですね。個人アカウントの感覚で使うのは危険です。どのデータをどこまで共有するかについて、運用はきちんとされた方がいいでしょう。とはいえサービス自体のセキュリティはむしろ高いので、あまり神経質になる必要もありません。
絹川
お医者さん
なるほど、確かにそうかもしれないね。ちょっと検討してみようかな。
そうですね。重要なのは「すべてを院内システムでまかなう必要はない」という認識をもつことだと思います。視野を広く持っていろいろな情報を得れば、予算的にも安く実装できたりするので。
絹川
お医者さん
それはそうだね。業者さんに全部任せっきりってのもある意味心配だし。……とはいえ、自分ひとりで管理するのは荷が重い気もするな。
そういう時はお気軽にご相談下さい! 私がサポートしますよ。
絹川
お医者さん
あ、そうか。ドクターアバターというのはそういう仕事なんだもんね。
そういうことです!
絹川
医療エンジニアとして多くの病院に関わり、お医者さんのなやみを聞きまくってきた絹川裕康によるコラム。
著者:ドクターアバター 絹川 裕康
株式会社ザイデフロス代表取締役。電子カルテ導入のスペシャリストとして、大規模総合病院から個人クリニックまでを幅広く担当。エンジニアには珍しく大の「お喋り好き」で、いつの間にかお医者さんの相談相手になってしまう。2020年、なやめるお医者さんたちを”分身”としてサポートする「ドクターアバター」としての活動をスタート。