第91回 医者が「自分の癌治療」には消極的な理由

この対談について

健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。

第91回 医者が「自分の癌治療」には消極的な理由

安田
今って「癌は早期に発見して早期に治療しましょう」という風潮ですよね。でも医療従事者の多くが、「自分が癌になっても癌治療はしない」と言っているらしいんです。久保さんはどう思われますか?

久保
医療現場を自分で見ているからこそ、癌治療の効果について思うところがあるのかもしれませんね。年間50兆円もの莫大な医療費をかけている割に、癌や糖尿病患者の数は増え続けているわけで。
安田
それは「もしかしてその治療って効いてないんじゃないの?」ということですか。

久保
そう思っているお医者さんが「自分が癌になっても治療はしない」と仰っているんじゃないのかなと。
安田
なるほどなぁ。でも実際に癌治療をしたことのある方は「再発したとしても治療はやりたくない」って仰るみたいですね。一定の効果はあるとしても、治療自体が非常に苦しいものなんだと。

久保
そうみたいですね。癌治療でよく使われる抗がん剤って、もともと毒ガスで使われていた成分を応用したものという話もありますし。
安田
え、毒ガスですか!?

久保
はい。戦時中、毒ガスで殺されてしまった方々の体内を調べたところ、白血球の量が激減していたというデータがあった。ということは、白血球がたくさんできてしまう病気の人に使ったら、薬としての効果があるんじゃないかと。そういうところから研究が始まったと言われています。
安田
ははぁ…毒ガスが元になっているのなら、そりゃ苦しくて辛い治療になるもの無理ないですね。

久保
もちろん現代の抗がん剤は初期のものとは随分違うと思います。でも「癌を殺すために、正常な細胞も殺さざるを得ない」という状況であることは変わらない。体への負担が大きいのは当然なんですよ。
安田
抗がん剤が正常な細胞にも影響を与えてしまうのはわかりますが、放射線治療だったら、癌だけに照射するからいいような気もしますけど。

久保
ある程度局所的に照射することはできますが、多少なりとも正常な細胞への影響もあると思いますよ。あるいは手術で癌細胞を切除するという方法もあるんでしょうが、それで完治しないケースがあるからこそ、抗がん剤や放射線治療という話になるわけで。
安田
確かに手術って、今ある癌細胞を取り除くことはできるかもしれないけど、癌細胞が増える根本的な原因を解決できるわけじゃないんでしょうね。

久保
癌って再発が怖い病気だと言われるのはそういう理由ですよね。そもそもの「癌になる原因」を取り除かない限り、何度でも再発してしまう危険がある。そういう意味では、先ほど挙げた3つの治療法すべて対症療法だとも言えますね。
安田
ふ〜む、要は生活習慣が変わっていなければ再発して当然だということですね。そういう意味では、結局のところ癌も生活習慣病だということでしょうか。

久保
もちろん全ての癌がそうだとは言いませんが、全体の8割くらいは生活習慣の悪化やストレスが原因だと思っています。悪い習慣が細胞を傷つけ、その結果癌になるんだと。
安田
そういえば以前教えていただきましたけど、健康な人の体内でも癌細胞は毎日5,000個くらいはできているんですよね?

久保
仰るとおりです。でも健康な生活を送っていれば自然に消滅していく。それが消滅しない状態がいわゆる病気の「癌」であって、これが悪い生活習慣や老化などによって起こるということです。…もっとも、私は癌=絶対に取り除くべきものだとは思っていないんですよ。
安田
良性のものあるし、先ほど話したように治療自体が体に悪かったりするからですね。

久保
そうなんですよ。治療をすることでかえって免疫力を落として短命になる、なんて本末転倒なことも実際起こっているわけで。
安田
そういったリスクを間近で見ているからこそ、医者本人は抗がん剤治療をやりたがらないのかもしれませんね。でもじゃあ逆に、なぜ患者には治療を勧めるのか、という話にもなりますけど。

久保
お医者様は正直なところ「ビジネス」としてやっているんだと思いますよ。治療や手術はお金になりますからね。でも実際に薬の副作用で苦しんでいたり、体にメスを入れたことで短命になってしまったりする現状を見ているからこそ、自分はやりたくないと思っているんじゃないかなと。
安田
癌治療をしてめちゃくちゃしんどい3年間を過ごすのか、癌はあるけどそれまで通りの生活をして2年間で人生を終えていくのか。同じ「癌で死ぬ」にしても、そこをちゃんと考えながら生きた方がよさそうですね。

久保
本当にそう思います。もちろん治療や手術を選ばれて、その後、元通りの生活を送れるようになる方だって大勢います。そこはもう考え方次第です。ただ1つ言えるのは、「癌になった本当の原因」について、しっかり考えていただけるといいなと。
安田
「その原因は自分の生活習慣にあるかもしれない」ということですよね。そしてそれを改善できるのは自分しかない。

久保
そうそう。薬が治してくれる、先生が手術で治してくれる、というようにある意味「受け身」の状態でいると、本当の意味での治癒はむしろ遠ざかってしまうと思います。
安田
なるほどなぁ。今回も賛否両論がありそうな内容でしたが、踏み込んだところまでお話を聞かせていただきありがとうございました。

 


対談している二人

久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家

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仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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