この対談について
健康人生塾の塾長にしてホリスティックニュートリション(総括的栄養学)研究家の久保さんと、「健康とは何か」を深堀りしていく対談企画。「健康と不健康は何が違うのか」「人間は不健康では幸せになれないのか」など、様々な角度から「健康」を考えます。
第98回 死を意識するからこそ、よりよい人生が送れる
第98回 死を意識するからこそ、よりよい人生が送れる

私も「哲学だけ」で健康になれるとは思っていなくて、やはり実践が必要です。むしろ「どういう風に実践していけばいいのか」をお伝えするために「健康人生塾」を始めたわけでして。

ええ、本当に(笑)。人生最期の10年間が介護されている状態っていうのは、やっぱり長すぎますし、誰も望んでいないですよね。とはいえ一方で、最期の3ヶ月〜半年くらいは介護の期間があってもいいのかなとも思うんです。

そうですそうです。「介護は最期の親心」ということを私もよく言っていたんですが、「徐々に老いていく」というのは自然の摂理。だから介護というのは、お互いの準備期間として自然が用意してくれた時間なんじゃないかと思うわけです。

なるほど。バタンと倒れて3ヶ月くらい介護して亡くなっていく、というのはある意味「健全」だというわけか。確かに3ヶ月ならお互い感謝して終われそうですが、さすがに10年ともなると…だんだんと憎しみに変わっていっちゃいそうですよね。

そうなんですよ。最期をそんな状態で終えていくのって、悲しいじゃないですか。そこで、自分がどういう最期を迎えたいのか、つまり「どういう風に死んでいくか」を考えることが、「健康人生哲学」なんじゃないかなと。

ははぁ、なるほど。いい死に方を考えることが「健康人生哲学」だと。それで言うと私は、普通に食事もトイレもお風呂も自力でできて、誰にも迷惑かけずにきっちり3ヶ月後に死んでいくというのが理想です。…でもそんなの、さすがに無理ですよね(笑)。

あぁ、昔の人は「なんとなく自分はもうすぐ死ぬなっていうことがわかった」ってことですよね。うーん、そう考えると現代人がそれを悟れなくなったのはなぜなんでしょうね。自然の摂理から離れすぎちゃったんでしょうか。

ええ。そもそも私は「死ぬことを考えること」って「今、生きる質を上げることに」に繋がると思っていて。例えばセミナーでもよく「もし皆さんが明日絶対に死ぬということが分かっていたら、今、こうやってセミナーになんかきませんよね?」とお話するんですけれど(笑)。

そうなんですよ。だからこそ、単なる「健康塾」ではなくて「健康人生塾・健康人生哲学」なんです。健康になったからOKではなくて、人生の最期をどう迎えるかということまで考える哲学。そういう風に捉えていただけると嬉しいですね。
対談している二人
久保 光弘(くぼ みつひろ)
健康人生塾 塾長/ホリスティックニュートリション研究家
仙台出身、神奈川大学卒。すかいらーくグループ藍屋入社後、ファンケルへ。約20年サプリメントの営業として勤務後、2013年独立し「健康人生塾」立ち上げ。食をテーマにした「健康人生アドバイザー」としての活動を開始。JHNA認定講師・JHNA認定ストレスニュートリショニスト。ら・べるびい予防医学研究所・ミネラル検査パートナー。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。