第100回 万博は「未来」を語る場所から「原点」を見せる場所へ

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第100回 万博は「未来」を語る場所から「原点」を見せる場所へ

安田

今回は記念すべき「100回目」ですね。いつも貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございます!


倉橋

こちらこそありがとうございます! 100回もネタが続くかな…なんて思っていましたが、安田さんが聞き上手なのでいつも楽しく話せます。

安田

そう言っていただけると嬉しいです。これからもよろしくお願いします! ということで100回目の今回は、今開催中の大阪万博についてお聞きしてたくて。倉橋さんも少し前に行かれてましたよね?


倉橋

ええ。3日間しっかり回ってきましたけど、めちゃくちゃよかったです。もう一度行きたいくらい。

安田

そうなんですか! どんなところが印象的でしたか?


倉橋

僕はもともと万博好きなんですよ。小学校3年生のとき神戸で「ポートピア’81」があったんですけど、夏休みに毎日通うくらいハマっていて。

安田

毎日!? よっぽどお好きだったんですね。


倉橋

当時は神戸市の小学生が無料だったという事情もありますけど(笑)。でも実際、エジプト館や三菱未来館など子どもながらに世界観が一気に広がった体験でしたね。

安田

なるほど~。それが今回の大阪万博にもつながっているんですね。


倉橋

ええ。大人になってから見る万博も、やっぱりワクワクしましたね。行列もしっかり並びましたし。アメリカ館や住友館で2時間、イタリア館は4時間くらいだったかな。

安田

倉橋さんのことだから、並んでる間も行列の観察とかしてたんでしょうね(笑)。


倉橋

しましたしました(笑)。近くに並んでる人がどんなワクワク感を持ってるのかな、なんて見ながらだったので、並ぶのも楽しかったです。

安田

さすがですね〜。ちなみに一番驚いたパビリオンはどこですか?

倉橋

アメリカ館ですね。アメリカの科学とデジタルの進歩、そして自然。それと、ネイティブアメリカンの文化から今に至るまでの歴史がうまく構成されていて、アメリカ国民になりたくなっちゃったくらい(笑)。

安田

そうなんですね(笑)。前評判は賛否ありましたけど、倉橋さんの話を聞いているとすごく楽しそうです。

倉橋

楽しいですよ。やっぱり万博っていいな、と思いました。でも全体的な方向性というか、ワクワクさせるポイントは昔と少し変わってきている気がします。

安田

昔の万博って「月の石」とか「空飛ぶ車」みたいな、すごく未来の話というか、イマジネーションの世界を見せている感じでしたけど。今回は違うんですか?

倉橋

そうですね。50年前は「まだ見ぬ未来」が人をワクワクさせたじゃないですか。でも今はテクノロジーの進化が当たり前になっていて、目新しいものにもそこまで驚かない。それこそ「どこでもドア」くらいのものが出てこないと。

安田

あ〜、確かに。スマホ、AI、自動運転など、昔漫画で描かれた未来はほとんど実現しちゃってますもんね。

倉橋

そうそう。だから最近の万博は「新しさ」より「原点回帰」にシフトしている気がします。建築も木造が多かったりして。

安田

ああ、なるほど。確かにSDGsしかり、現代は何かと「自然に戻る」っていう方向ですもんね。ちなみに、もし万代でパビリオンを出すとしたら、どんな内容にします?

倉橋

うーん…「世界のオタクグッズ博覧会」とかどうです? 世界のフィギュアやアニメ文化を集めて。

安田

いいですね〜。クレーンゲームの歴史展示とかも面白そうです。

倉橋

いいですねぇ。お客さんも楽しんでくれそうだし、企業としてのメッセージにもなりそうです。

安田

確かに確かに。夜の時間に電光をピカピカやって展示しても楽しそうです。…そういえば大阪万博って夜の展示もあるんですか?

倉橋

一応夜9時までは開いているんですが、一部の館は夕方には閉まっちゃうんですよね。全体の印象としては完全に昼間中心です。

安田

そうなんですか。ちょっと健全すぎる気もしますね(笑)。もっと非日常感を味わいたい人も多いでしょうに。

倉橋

そうなんですよ。夜に映える照明演出とか、音楽イベントとか、そういうのがあってもいいのになって思います。

安田

そうですよね。来場者の年齢層とかを考えてのことなんですかね。小さい子供を連れた家族が多いとか。

倉橋

いや、ファミリー層は思ったより少なかったですね。昔の万博は子どもだらけだったと記憶してるんですが、今回は大人のほうが多かったです。展示内容も文化とか歴史とかが中心で、子ども向けのインパクトある演出は少なめでした。

安田

なるほど。じゃあなおさら超大型クレーンゲームとかが必要ですよ(笑)。

倉橋

確かに(笑)。子どもも絶対喜びますよね。万博って「未来を見せる場」ですけど、今の時代に合った「ワクワクの再定義」が必要なんだと思います。巨大アームで車を釣るとか、逆にバカバカしくて面白いものというか。

安田

「バカまじめな非日常」って感じで、いいテーマになるかもしれない(笑)。技術が進んだからこそ、心を動かす企画力が問われる時代なんでしょうね。

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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