第125回 「即レス」は最強のビジネススキル

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第125回 「即レス」は最強のビジネススキル

安田

倉橋さんの仕事ぶりを見ていていつも思うのが、「レスが速すぎる」ってことなんですよ。


倉橋

速すぎますか(笑)。

安田

いやもちろんいい意味ですよ?(笑) Xでも「即レス」や「意思決定の速さ」にはこだわってるって書かれてましたけど、いつ頃からそういうスタイルなんですか?


倉橋

ここ5年くらいですかね。「即レス」はもう、僕の中の「主義」にしてます。だってスケジュールが決まらない仕事って、やってないのと一緒じゃないですか。

安田

おお〜、名言ですね。「スケジュールが決まらない仕事はやっていないのと同じ」。本当にそうだなぁ。


倉橋

ええ。だからとにかくレスだけは速くするようにしてます。例えば安田さんから何か確認の連絡が来たとして、今すぐ中身を精査できない状況だったとしますよね。それでも「見ました。今日中に回答します」とだけは即座に返す。

安田

素晴らしい。それって受け取る側としてはめちゃくちゃ安心するんですよね。「あ、ボールは向こうに渡ったな」って分かるだけで、こちらの段取りが組めますから。


倉橋

そうなんです。相手に安心感を与えるし、段取りもスムーズになる。社内でも社外でもそこは徹底してるので、たまに早すぎて「ちゃんと中身見てます?」って疑われることもありますけど(笑)。

安田

笑。でも社長ともなると、パッと見ただけで良い話か悪い話か、直感で分かりますよね。


倉橋

ああ、確かにわかりますね。特に業務連絡は簡潔に書いてもらうようにしているので、一瞬で判断できます。世の中には「レスが遅い人」と「意思決定が遅い人」がいますけど、安田さんはどっちがより困ります?

安田

うーん、どっちも困りますけど……やっぱり「レスが遅い人」ですかね。


倉橋

僕も同じで、断然レスが遅い人ですね。意思決定に時間がかかるなら、「いつまでに決めます」って即レスしてくれればいいだけの話ですから。

安田

仰るとおりです。レスの遅さは、相手の時間を奪う行為そのものですからね。金曜の夕方にアポの打診をされて、「この日時なら空いてますよ」って返しても月曜まで返事が来なかったりするじゃないですか。

倉橋

アポイントが確定しない状態で土日を跨ぐことになってしまうんですよね。連絡する、というのがゴールになっちゃってるのかもしれない。

安田

連絡は入れたからいいだろうという「免罪符」があるんでしょうね。特に複数候補を出した状態だと他の予定が入れられなくて困ってしまいます。

倉橋

わかります。ともあれ結局、本人に決定権がないからそうなるんだと思いますよ。上司に確認しないと日程ひとつ決められない。

安田

ああ、なるほど。個人の資質というより、会社の構造的な問題だと。

倉橋

そう思います。意思決定のスピードでいうと、大企業はやっぱり時間がかかりますよね。会議、会議、また会議で、何も決まらないまま1週間が過ぎるみたいな。

安田

稟議文化の弊害ですね。でも意思決定の「速さ」と「正しさ」ってトレードオフな部分もあるじゃないですか。多少時間をかけてでも正しい判断をすべき、という考え方についてはどう思います?

倉橋

うーん、でもビジネスって、結局やってみないと分かんないことのほうが多いじゃないですか。どれだけ吟味しても成功確率が100%になることはない。だとしたら、「遅いことは罪」だと思います。

安田

ははぁ、なるほど。実際私の経験でも、即決してプロジェクトが半年で終わる会社と、検討に時間をかけすぎて2〜3年かかる会社では、成果に雲泥の差が出ています。後者の場合、時間が経ちすぎてプロジェクト自体の意味がなくなっちゃうこともありますし。

倉橋

そうなんです。だから僕は、「検討します」「考えます」っていう保留の時間は、最大でも3時間くらいだと思ってます。それ以上考えても結論は変わらないし、やらないなら「やらない」と早く決めることも、重要な意思決定ですから。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

Twitter  Facebook

株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

Twitter  Facebook

1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

感想・著者への質問はこちらから