“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第126回 「誰にでもいい顔」をする店が選ばれないワケ

以前、「お客さんは無意識に心の中でその店を採点している」という話をされてたのが印象に残っていて。その点数が一定ラインを超えればリピートするし、下回れば二度と来ないっていう。

味はもちろん大事ですけど、それだけじゃないですね。ビジネスパートナーを連れて行った時に話がしやすい静けさがあるかとか、スタッフが気取りすぎてないかとか。あと僕の中でめちゃくちゃポイントが高いのが「トータルの時間が短い」ことなんです。

ああ、わかります。私も夜は早く寝たいタイプなので、19時一斉スタートで3時間かかります、みたいな店はちょっと敬遠してしまいますね。終わるのが22時過ぎるってわかってると、行くのに相当な覚悟がいりますから(笑)。

そうなんですよ。お店側は「たくさん出すこと」「時間をかけてもてなすこと」がお客さんのためだと思い込んでる節がありますけど、デザートが3種類も出てきて「いや、もう十分です」ってなることも多い(笑)。

ああ、ありますよね(笑)。過剰なサービスより、こちらの都合に合った「居心地のよさ」のほうが大事なわけで。でもお店側からすると、自分の店がお客さんの合格ラインを超えてるかどうかって、どう判断すればいいんでしょう?

一番確実なのは、2回、3回と来てくれたお客さんに、直接「来店動機」を聞くことですね。自分たちの強みって、案外自分では気づけないんです。お客さんが何に価値を感じて点数をつけてくれたのか、答え合わせをする必要がある。

その通りです。例えばうちの近所に「単身赴任の男性客に特化したお店」があるんですけど、そこはもう完全にターゲットを絞っているんです。だから単身赴任の期間は毎日通ってもらえるような設計になっている。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















