第136回 万代が目指す「遊べるスーパー」とは

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第136回 万代が目指す「遊べるスーパー」とは

安田

最近うちの子どもが6歳になりましてね。来年から小学生なんですけど、小田原にあるヒルトンホテルへしょっちゅう行きたがるんです。地下にあるゲームセンターがお目当てで。


倉橋

ああ、なるほど。そのゲームセンターで遊びたいわけですね。

安田

そうなんです。私も最初に行った時は、ホテルにしてはいろんなゲームがあるなと思って楽しんでたんです。でもさすがに何回も行ってると、大人は飽きてくるんですよね。「またここか」みたいな感じで(笑)。


倉橋

気持ちはわかりますよ(笑)。

安田

そもそも大人も子どもも楽しめる場所ってなかなかないんですよね。だからこういうリゾートホテルがいっぱいあるような場所にこそ、万代さんを作ったらめちゃくちゃニーズがあるんじゃないかと思ったんです。


倉橋

確かにニーズとしてはあると思います。ただ、僕らが設定しているターゲットには、旅行やレジャーに行かれるお客様っていうのは入っていないんですよ。

安田

ああ、そうか。あくまで地元の人がターゲットなんですね。以前もインバウンドはあまり意識してないって仰ってましたし。そこを狙えばもっと大きな売上が見込めそうな気もするんですが、あえて狙わないということですか?


倉橋

ええ。インバウンドや旅行者を取り込むとなれば、提供する商品やサービスがまた違ってくると思うんです。そうするとどうしても力が分散してしまう。

安田

ということは、万代さんに行こうと思うと、店舗のある地域に住むしかないってことですね(笑)。


倉橋

そういうことです(笑)。秋葉原での出店のお誘いもいただいているんですが、そういう理由でお断りしていて。

安田

そうなんですか。素人目にはよさそうな気もしますけど、ターゲットとはズレているわけですね。


倉橋

そうなんです。もちろん秋葉原は素晴らしい場所ですが、家族4人でレジャーに行く場所ではないですし、週1回定期的に行くところでもないじゃないですか。そういうマーケットへの出店は、僕らのコンセプトとは少し違うんです。

安田

なるほど。ちなみに、地方に行くとイオンの中に結構大きなゲームセンターがあったりしますけど、ああいう施設に対しては同業とか競合といった意識はあるんですか?

倉橋

あまりないですね。確かにターゲットが重なる部分はありますが、完全に一致するかというとそうでもないので。

安田

万代さんの場合は単なる娯楽施設というよりは、ショッピングを兼ねたエンターテイメントって感じですもんね。そこがやっぱり、今までの単なるゲームセンターとはちょっと違うと。

倉橋

その通りです。どちらかといえばゲームセンターは照明を少し暗くして、フィギュアを中心としたラインナップにするんですけど、うちはショップはなるべく明るく、それこそスーパーマーケットぐらいの照度に設定しているんです。

安田

へぇ、明るさにもこだわっているんですね。

倉橋

ええ。通路幅も当然カートが動けるように広く取ってありますし、「遊べるスーパー」というコンセプトが一番わかりやすいかもしれないですね。

安田

ああ、確かに。Xの投稿を見ていても、お客さんが遊びに行くと同時に日常の買い物を楽しんでいる様子が伝わってきますもんね。

倉橋

提供している側としては、嬉しい限りです。例えばクレーンゲームの景品にしても、カレールーでも普段買うようなものからワンランクだけちょっと上げているんです。塩梅が難しいところなので、実際に主婦の方にバイヤーをしてもらっていて。

安田

それはいいですね。普通のゲームセンターだと毎回同じおもちゃを取ってくるなんてこともよくありますから。子どもは楽しいでしょうけど、同じものばかりあってもねぇ(笑)。

倉橋

笑。そういう定番のおもちゃも必要ですけど、生活雑貨や日用品も取り入れるようにしています。花粉症の時期には「鼻セレブ」を置いてみたり(笑)。自分では普段あまり買わないけれど、景品としてだったらちょっと欲しいなと思えるようなものを意識しています。

安田

なるほどなぁ。景品やゲーム機がどんどん入れ替わっているとまた行きたくなりますよね。冒頭でお話したホテルの地下のゲームセンターだと、何十年も同じようなゲームを置いていることもあって。やっぱり入れ替えは相当コストがかかるんでしょうね。

倉橋

1台100万円くらいしますからね。旅館やホテルにあるものって、業者さんが置かせてもらっているだけということも多いんです。だからあまり手が入っていない。

安田

ああ、そういう仕組みなんですね。でもそう考えると、万代さんももう使わなくなったゲーム機などをそういう場所に置かせてもらうような新しいビジネスができそうじゃないですか?

倉橋

実はやったことがあるんですよ。「シングルロケ」というんですが、ドラッグストアなどに置かせてもらう事業をやったんです。でもそういうビジネスよりも、やはり自分たちの店舗で機械を用意してお客さんに喜んでもらう方が力が入るんですよね。

安田

ははぁ、なるほど。自社店舗に来ていただいたお客さんを喜ばせたいというのが、万代さんの王道ということなんですね。そういえば、また新しく店舗ができるとお聞きしましたけど、盛岡でしたっけ?

倉橋

ええ。本当にありがたいお話なんですが、福岡のトリアス久山店の出店以来、いろいろなところからお話をいただいてまして。おかげさまで、まだまだ国内でも展開していく予定です。

安田

海外展開もするけれど、国内もまだまだ増えていくんですね。楽しみにしてます。

 


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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