【大手の作法/025】インターナル・コミュニケーションから飛び出せ

トップに求められていることは?

雇用不安や精神面でのストレスを抱える現場に、「人間味が伝わる想い」「温度感のある言葉」「寄り添うメッセージ」を届けることもトップには求められるでしょう。

Amazonのジェフ・ベゾスCEOが発した社内向けメッセージは企業トップとして従業員のみならず社外ステークホルダーにも寄り添う姿勢を見せた好事例。
https://blog.aboutamazon.com/company-news/a-message-from-our-ceo-and-founder
ベゾスさんは、新型コロナウイルスに伴う世界的な危機に対しAmazonは「世界中の人々に極めて重要なサービスを提供している」「多くの人々は私たちを頼りにしている」ことを訴え、以下のメッセージで締めくくっています。

「私はAmazonが最良な役割を果たしていく方法について、全ての時間と思考を集中しています。Amazonで働いている皆さんにも、Amazonが重要な役目を担い続けることを理解し、新しい支援の機会を探し続けていただきたいと思います。そしてあなた自身と愛する人々をどうか大切にしてください。私はこの現状を皆さんと一緒に乗り切ることができると信じています」

またAmazonは “巣ごもり消費”による需要増大に伴う人員不足から、新たに世界で10万人の雇用を確保するとのこと。同時にコロナ禍において飲食・観光業等で失業してしまった人に対しても「一時期でも一緒に働きませんか?」と呼び掛けているのです。このように「社会課題」を意識したトップのメッセージは、広報的な戦略を超えた「素敵な想い」として社内外に広まり、結果として現場の社員さんは鼓舞されることでしょう。

 

 


高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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