このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法: 大人の見せ場
人は誰しも「イケてる!」「カッコいい!」と思われたい生き物なのかと思います。
先日。大手食品メーカーさんでの研修終わりに、懇親会にご一緒しました。
人事、営業部門の30~50代の方々が参加した会でしたが、
・最近の社内トレンド
・新たに取り組み始めた人事制度
・海外への展開
などについて
「真面目な雑談」を楽しんでいました。
酒も進み、しばらくすると「真面目な雑談」に「しょうもないバカ話」も交じり出しましたが、皆、笑いあっての楽しい時間を過ごしていました。
すると、Aさん(40代前半)が直属の部下であるOさん(30代半ば)に「アレをやれ、コレをやれ」とフザケながら、いろいろとお題を出し始めたのです。
聞くと、お二人。同じ大学出身で、20代の頃にも3年ほど同じ職場で過ごした仲。それぞれが異動を経験し、今期から久しぶりに再び同じ職場で働くことになったのだそう。
そんな関係もあったのか、先輩が後輩をイジリまくって、場を盛り上げようという雰囲気でした。
すると、後輩Oさんが不機嫌さたっぷりに
「それって、今することスか??」
「せっかくの他部門との交流の場なのに、
先輩、フザケすぎじゃないスか??」
と声を荒げたのです。
周りからは「まあまあ」「落ち着いて」などの声が上がったタイミングで、
「ごめん、Oくん。悪かった」
「皆さんにも迷惑かけて申し訳ありません」
とAさんは真剣な表情で平謝り。
先輩からの謝罪で、Oくんも表情を和らげ、周りもホッとした瞬間。
「いやぁ。Oとの久しぶりの話が楽しくて、ついつい自分勝手に夢中になっちゃいました。ほんと申し訳ない」と笑顔たっぷりに、再び、しっかり謝るのです。
その姿に「もういいスよ。先輩、昔っから謝るの上手なんスから」
「皆さん聞いてくださいよ。この人ったら、僕が新人時代に(ああで、こうで、、)」
と二人での思い出話を楽しそうに話し始めたのです。
そんな中。最高齢50代の部門長Kさんが
「素直にI’m Sorry♪」と鼻歌交じりに一言。
「素直な謝罪はカッコ良いよな」「ウチの会社はさ、素直に謝ることができないオヤジ連中が多いよな。なかなか難しいものなんだよな。部下に頭を下げるってのはさ」
「でも。周りはちゃんと見ているんだよ。
“ごめんなさい”は大人の見せ場なんだよな」
なんだか、とっても素敵な一言でしたが、
皆はOさんの話す「先輩とのアホな思い出」に盛り上がって、聞いちゃいないのでした笑