このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/ 「青い鳥探し」を手伝え
大手メーカーさんにて、現場スタッフの「離職防止/定着率向上プロジェクト」に携わっています。
厚労省によると、高卒入社の新卒者の約4割が3年以内に離職しているとのことですが、同社では、6、7年前までは、2割にも満たない率でした。
それが、近年、上昇を続けているため、会社全体で「風土改革/待遇改善」に努めるようになったのです。
先日「現場での若手の様子」を把握するために、50歳前後のベテラン4名を取材しましたが、
「最近の若者は、何を考えているのか理解できない。根性がない。すぐに弱音を吐く。元気がない。打たれ弱い。。」
などなど、ネガティブな印象のオンパレード、、
さらには、
「目の前のことだけ、言われた通りにやってりゃいいんだよ」
「仕事もできないウチに、あっちが良い、こっち良いとフラフラしやがって、『青い鳥症候群』じゃねぇかよ」
と、大声で盛り上がっているのです。
感染防止対策もあり、会議室のドアは大きく開かれていたので、気になって廊下に出てみると、部屋に入ろうとしていたのか、現場管理職のSさんが立っていました。
「あれが、あいつらの本音なんでしょうかね。。若手はまだまだ未熟ですよ。でも『青い鳥は近くにいた』なんてことは、いろいろと経験していくうえでわかることですよね。そんな経験をサポートするのが先輩の役割なのに。。」
入室したSさんは、「みんな、忙しいなか、ありがとうな」の挨拶の後に、
「積極的に協力してくれなくても良いけど、せめて若手の足だけは引っ張らないでくれよな」と、真剣に伝えてくださったのでした。
「大切な何か」を感じ取れる職場づくりに貢献したいと強く思った出来事でした。