第97回 柔軟な対応?

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/ 柔軟な対応?

某大手、人事部門が社内向けに開催した「ダイバーシティ・オンラインmtg(出入り自由の90分)」に同席しました。

「ダイバーシティ」と名を打っているものの、目的は「若手の定着率を高めるには?」、「女性管理職を増やすには?」の2つのテーマについての意見交換といった場でしたが、開始時の参加者は50名ほどで、40代、50代男性が大半を占め、他の層がチラホラ見えているような顔ぶれでした。

その中で、盛んに「インポスター症候群ですね」、「ダニングクルーガー効果やな」という言葉があがっていましたが、

◆インポスター症候群
言動、実績を周囲から高く評価されても「周りの環境に助けられたおかげ、運が良かったから」「私にはそんな能力などない、過大評価ですよ」自らを過小評価し、周囲との認識の錯覚を起こすこと。

のようで、

男性より女性に多く起きやすく、女性管理職や社会で活躍する女性が「自分が選ばれたのは数合わせ」「女性という理由で選ばれただけで、自分の能力ではない」と卑下し、存分に力を発揮できないケースもあるのだとか。

一方、

◆ダニングクルーガー効果
自分が優れているという、思考錯覚(認知バイアス)を起こすこと、自分の欠点に目を向けられないことが原因による、自己の過大評価で、「自信過剰で実力が伴っていない人物や現象」をさすとのこと。

のようで、

能力が低く、経験の浅い人ほど、自らを「過大評価」する傾向にあり、能力が高い人ほど、自らを「過少評価」してしまいがちで、仕事、勉強、恋愛、スポーツ、と場面を問わず見られるのだとか。

その後も、皆さん(主にベテラン男性陣)の発言を拾っていくと、

・できないクセに自信満々な若手が多い
・嫌味を言っても、できると勘違いしている若手には伝わらない
・成果を上げている女性には、もっと自信を持ってもらいたい
・優秀な人材は、もっと主張した方が良い

などの声が上がり、盛り上がっていましたが、開始30分ほどで、ベテラン男性陣以外の方々は「画面off」または「退席」を選んでおりました。。

高松は終了まで同席しましたので、主催者さんの締めの挨拶も聞くことができました。

「勘違いが強い人や、根拠のない自信を持つ人は、言い換えれば、何事にも臆さない、チャレンジ精神を持っている人とも言えますよね。皆で会社にイノベーションのムーブメントを起こしていきたいですね!」

当初の目的、変わっていますよね。。。

 

著者の他の記事を見る


 

高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

感想・著者への質問はこちらから