第252回 抱きしめる、という会話。

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/抱きしめる、という会話。

 

ニュージーランドは「ダニーデン空港の取組み」が世界で話題になっていることをご存知ですか?

こちらの空港。

降車エリアに「ハグ制限時間3分!」との標識が新しく設置され、「もっと深く別れを惜しみたい方は駐車場のご利用を!」と呼びかけているのだそうです。

SNSに写真や動画が投稿されると、瞬く間に拡散につぐ拡散。

「別れのハグに時間制限をするな!」という「批判派」と、

「空港の公共車止めエリアに止めている一般車には『罰金が課される空港』が増えるなかで、ナイスな取り組み!」

「3分とはいえ、無料エリアを設置してくれていることは素晴らしい!!」

との「賞賛派」に分かれ、様々なご意見が書き込まれまくっているようなのです。

「ダニーデン空港」はこの話題について、

「多くの喜びと悲しみ、楽しさと寂しさがそこかしこに存在する空港は『感情のあふれ出る場』である」

そのうえで

「愛情ホルモンのオキシトシンを噴出させるには『20秒程度のハグ』で事足りる!」

とする「エビデンス」を引き合いに出し、

「利用客が早く移動し合うことで、『ハグできる人が増える!』」と回答しているのだそうです。

上記の話題は、

某大手さん「管理職研修」のグループディスカッションの場にて、「長期の海外出張」から帰ってきた受講生さんが話していたことなのです。

それを聞いた他の方々からは、

「3分って意外に長いよな。信号が赤になってから青に変わるまでは平均90秒〜120秒だよ」

「おなじ時間でも状況によっては、永遠に待たされいる感覚に襲われることもあるよな」

「別れのハグの3分間は、付き合いたてのカップルにとってみれば短く感じるかもしれないけど、俺クラスになるとカミさんと2人っきりでいる3分なんて、相当に苦しいわ、、」

「一昔前、客船での旅が全盛だった時代は、船が離岸する際に、色とりどりのテープが投げられて別れを惜しんでいたやろ?」

「それが、だんだんと環境問題なんかで自粛が叫ばれて、その後『水に溶けるテープ』が開発されたりしてさ、結局今じゃ世界中で禁止となっているんやで」

「おれらが若い頃はさ、日曜日の新大阪行き新幹線の最終間際の発車ホームでは、遠距離恋愛中のカップルが抱き合って泣いたりしてたよなぁ」

「『シンデレラエクスプレス』とかって呼ばれてたよな」

「そういえば、カミさんとハグしまくってたこともあったわな、、」

「今夜は早く帰ろうかな」

以上、大手さんの研修シーンからお伝えさせていただきました!

 

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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