第281回 キャンセル生活

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/キャンセル生活

 

 

「風呂キャンセル」

近ごろ、SNSなどでよく見かけるお言葉。

要するに、「今日は風呂、入らんとくわ」という日常判断ですが、なにやら2024年の春ごろから、若い世代を中心に広まったネットスラングのようです。

「LIXIL」さんの調査では「風呂に入るのが面倒だと感じる、、」という人が「6割を超えて」いるといいます。

さらに最近話題になったのが、「コンロキャンセル生活」というスタイル。

「日経新聞」でも取り上げられたこの新しいライフスタイルは、「家にコンロはあるけど使わない」または、「最初から設置しない」という選択。

最新調査では、「一人暮らしの20代」「コンロを使わない・設置していない」人が「男性:27.7% / 女性:20.3%」にものぼるといいます。

たしかに「冷凍食品+電子レンジ」でも「トースターで焼く+市販のソース」で立派な一皿が作れます。

さらには「オートクッカー(自動調理器)」は大きく進化し、圧力と鍋底かき混ぜを「同時に実現」し、炒め物や煮込み料理なども簡単に美味しく作れます。そもそも「Uber Eats」などで済ませてしまえば、洗い物だっていりません。

いまや、「コンロ不要の食事環境」が進化しまくっているのであります。

フライパンすら使わずに「プロっぽい味」が出せる時代なのですから、中には、コンロの上にカバーをして「ワークスペース」にしてしまう人も増えているのだとか。

そんな「世の中の流れ」に敏感になったのは、最近、地元・川崎の「富士通ゼネラル」さんが、大手ガス機器メーカー「パロマ」さんに買収されるという話を聞いたからなのです。

エアコンとガス機器という「生活インフラの両雄」が、これからどんなライフスタイルを描いていくのか。とても楽しみなのであります。
 

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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