このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/大手が学ぶ「ベンチャーの作法」
先日、某大手企業の役員、Kさんから一冊の本をいただきました。
“ベンチャーの作法”
Kさんは、若い頃から現場を渡り歩き、“泥臭い調整”も“人間関係の機微”も知り尽くしてきた、いわば“叩き上げ”の方です。
“合議文化”の中で成果を積み重ねてきた人が、ベンチャーの本を手渡す——それだけで、時代の空気を感じました。
「うちは大手のままでいい。でも、このままでは遅い」
後日、意見交換の場でそう語られました。
本に書かれているのは、結果重視、裁量、意思決定の速さ。いわば“ベンチャー的OS”。
さらにKさんは続けました。
「ベンチャーになれとは思わない。でも、“決める覚悟”は持たないといけない」
“合議”で強くなってきた大手。“再現性と持続可能性”で勝ってきた組織。
その価値を誰よりも理解している人が、“スピードの必要性”を語る。そこには、流行への迎合ではない、静かな危機感と責任感がありました。
一方で現場はどうか。
「スピードを出せ」と言われながら、承認フローは変わらない…
アクセルとブレーキを“同時に踏む感覚”に戸惑う人も多いでしょう。
ベンチャーになることが目的ではない。
ですが、ベンチャー的な鋭さを持たなければ競争に置いていかれる——そんな緊張感が確かにある。
ただし、“掛け声だけ”では変わりません。
スピードを求めるなら、“評価や権限、失敗の扱い”まで踏み込めるか。
いま起きているのは“文化の模倣”ではなく、“組織OSのアップデート”。
その移行期を生きる私たちこそ、実は一番難しく、そして面白い場所にいるのかもしれませんね。


















