このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/「そもそも」を言える会社、言えない会社
「成熟市場でのイノベーション」というと、私たちはつい「すごい技術」や「大きな変化」を想像します。
ですが、現実にはもっと静かな形で起きることがあります。
「カシオ」さんが発表した“指につけるG-SHOCK”は、その象徴かもしれません。“腕時計なのに、腕につけない”。聞けば単純ですが、この発想は意外と出てこないものです。
大手さんの会議では、よくこんな場面があると聞きます。
「それは前からこう決まっているので」
「業界的にこの形ですよね」
「前回もこの進め方でしたし」
「一度社内でこの形に整理されているので」
「まずは従来通りで進めましょうか」
多くの場合、議論は“前提を守ること”から始まる。それは間違っているわけではない、という思いもあるのでしょう。みなさん、真面目に“正しい進め方”を守っているのだそう。
ただ、その積み重ねで、いつの間にか「前提そのもの」が動かなくなっていく。
だからこそ、「そもそも腕につけなくてもいいのでは?」という問いは、実はかなり大胆です。
面白いのは、この発想が市場を壊しているわけではないことです。むしろ、時計を「時間を見る道具」から「身につける表現」に少し広げている。
私たちのビジネスでも同じかもしれません。
大きな改革より、「それ、本当にその前提でいいんだっけ?」という一言。
研修シーンで、よく耳にするのがこんな声です。
「うちの会議では、その一言が出にくいんです」
「会議でそんなことを言ったら、少し空気が止まっちゃいます」
「“そもそも”を言える組織」から、新しいものが生まれるのかもしれませんね。


















