母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」（リファイン）。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第15回 「夢を叶える仲間」を増やすためのビジネス
今回は望月さんご自身の「夢」について聞いてみたいと思います。Refineのお店を一緒にやりながら、その方の夢の実現をお手伝いしたいということでしたよね。
ええ、そういう想いが1人でも多くの方に伝わればと、こうして安田さんとお話させていただいています。
なるほど。望月さんご自身としては、お子さんももう自立されて、趣味とか楽しみとしてお仕事されているイメージですけど、実際はどうですか？
そういうイメージを持っていただけるのは嬉しいですけど、そこまでの余裕は全くないですね（笑）。ただ、今までは子どもを学校に通わせることに精一杯だったのが、ようやくここからは自分のために仕事ができるな、という感覚ではあります。
なるほど。ちなみにお店の数を増やしたい人って、わりと拡大志向の人が多い気がするんです。「フランチャイズ展開をしてどんどん広げていこう！」という感じで。でも望月さんはそれとはちょっと違う気がして。
そうですね。そういうタイプではないです。
もちろんビジネスなので、利益を出すのは大前提でしょうけど。とはいえいわゆるコンビニのFC本部のように、「どんどん加盟店を増やして稼ごう」という感じでもないですもんね。
それは全くないですね。それよりもRefineの趣旨に賛同していただけて、一緒にビジネスを広げながらご自身のやりたいことを実現していただけたら嬉しいです。
そうですよね。まずは関東圏からということでしたけど、いずれは全国にそういうお弟子さんがいて、そのお店を訪ねていくなんて、素敵だろうなと思いますよね。
いや〜、そうなったら最高ですね。
利益が出るに越したことはないでしょうけど、その人の夢を応援してあげられることの方が、望月さんにとっては重要なんじゃないかと思うんです。そのあたりはどうですか？
本当に仰るとおりです。今いるスタッフも皆転職組なんですけど、「今まで働いた会社の中でここが一番いい」と言ってくれたら、経営者としてはそれが一番だなと思ってまして。そのためにも給料ややりがいをしっかり提供しないといけないなと。
わかります。それが経営の責務でもあり、また同時に醍醐味でもあるんですよね。
そうそう。それと同じように、お店を持ちたいと思ってRefineに参加してくれる人にも、「この仕事に出会えて本当によかった」と言ってもらいたいなと。ちゃんと収入を得られて、さらには将来の希望も持てるようになってほしい。
ふむふむ。「ウィンウィンな関係」を作っていくことが、望月さんの一番の望みなわけですね。
ええ、まさにそういう関係性の「仲間」が増えていったらいいなと思います。
いいですね。最近の経営者って2つのパターンに分かれるなと思うんです。1つは先ほどのフランチャイズ展開のような、「どこまでも事業として大きくしていきたい」という人。もう1つは、「売上はある程度でいいから、その仕事を本当に喜んでやってくれる人たちと一緒に事業をやりたい」という人。
ああ、それでいうと私は完全に後者ですね。
そうですよね。でも「お店をやりたい人を募集します！」というと、どうしても前者のイメージが強くなる。一般的なフランチャイズのように見られがちというか。
そうかもしれませんね。それはちょっと嫌だなぁ（笑）。
だからそのためにも入口である採用の部分が重要だと思うんですよ。「給料の分だけ働けばいいや。それ以上は頑張りたくない」という人は、おそらく今回の望月さんのプロジェクトには合っていないんじゃないかな。
確かにそうですね。この対談を読んで、この仕事を素敵だなと思ってくれて、自分の夢が実現する助けになるかもしれないと感じてくれる方。それが100人に1人、1000人に1人しかいないとしても、そういう方とお会いできたらと思ってます。
何百店舗も作ろうとしているわけではないですもんね。ちなみに望月さんとしては、日本全国で何店舗くらいあったら満足なんですか？
そこまで範囲が広がるとまだあまり想像がつかないんですが、ひとまず関東20店舗くらいを目指していきたいですね。
なるほど。その20店舗を日々訪ねて回ると。楽しそうですねぇ。それが全国に広がったら、北海道から沖縄までRefineで夢を叶える人がいて、その地域の人からも喜ばれている。
それは本当に楽しそうです。全国だったら30店舗あれば、お互いに情報交換もできてさらに発展できそうですね。
対談している二人
望月 信吾（もちづき しんご）
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。＜お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい＞がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生（やすだ よしお）
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク（BFI）代表。
