庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第80回 盆栽が鉢以上に大きくならない理由

以前雑木のお庭がブームになっているというお話を聞きましたが、雑木なら維持の負担が少ないから、という理由もあるんでしょうね。

ちなみに私はイチョウがすごく好きなんですが、お庭に植えると大きくなりすぎるということでしたよね。そこでふと、植木鉢ごと地面に埋めてしまえばいいんじゃないかと思ったんです。植木鉢で育てれば、限界以上には大きくならないわけで。

植木鉢だと土の量が限られていますし、地面に直接接していなければ他からの養分が供給されないので、ある程度のところで成長がストップするんです。定期的に植え変えたり、根を剪定するので、そこまで大きくならないように管理もできますし。

ええ。少なくとも何年かに一度は手を入れないといけないと思います。例えば水をあげた時に鉢底からスッと抜けなくなったら、植え替えのサインです。盆栽に限らず、植木鉢に植えている木は定期的に植え変えた方がいいですね。

そうかそうか、なるほど。ちょっと雑木の庭の話に戻りますが、以前のお話では、ブームになりすぎて雑木自体が山から減っているということでしたよね。それが過熱して完全になくなってしまう、なんてことはないんですか?
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。