「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第110回 衝動買いするなら、実店舗でするべし

いや…広告を作っている私が言うのもなんですが、そういう広告だけではあんまり騙されないです(笑)。ちょっと気になる広告を見ても、最終的には口コミなんかをじっくり読んで、その上で購入するかどうか決めますね。

だって実店舗だったら、自分の目で見て触れることができるじゃないですか。ネット広告で商品を見るのとは全然違いますね。そもそもわたし基本的に物欲があまりなくて。だからこそ「これ欲しい!」と思えるものに出会えたら、絶対買うようにしています(笑)。

サマンサタバサのカバンですね。私、自分にご褒美が必要だなと思った時には、よくサマンサタバサの実店舗に行くんです。すると店員さんも「中辻様、いらっしゃいませ〜」みたいにすごく素敵にもてなしていただけて…。

いえいえ、そんなことないですけど(笑)。でもずっと同じショップに通っているので、担当の方も私の好みをよくご存知なんですよ。だから基本的にはオススメされるカバンはどれも私が欲しくなっちゃうデザインで。なので、基本、全部買ってます(笑)。

ないです。むしろ大好き(笑)。例えばサマンサタバサの担当さんも、私のことをしっかり覚えてくれていて、私好みの商品をどんどん提案してくれるわけじゃないですか。それで私は「特別感」のようなものを味わわせてもらえる。それが心地よいんです。

そうそう(笑)。ショップからしてみれば、私はすごく「都合のいい客」になっているんでしょうけど(笑)。でも私は担当さんとやり取りする時間にすごく価値を感じているんです。だって、客である私とある程度の関係性が構築されていなければそういう時間や高揚感は作れないじゃないですか。そういう意味では私はカバンというよりも、担当さんの仕事ぶりにお金を払っているのかもしれない。

同じショップで、後任の方とまた新たな人間関係を築いていきます(笑)。そもそも高級店はどの店員さんでもすごく気持ちよく買い物をさせてくれるので。だからそういった店員さんたちの接客方法に触れながら、私もクライアントさんたちに気持ちよく依頼してもらうためにはどうすればいいのかというのを学ばせてもらっている面もあるかもしれないですね。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。