第143回 運命は、生まれる前から自分で選んでいる?

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第143回 運命は、生まれる前から自分で選んでいる?

安田

よく「子どもは親を選んで生まれてくる」って言うじゃないですか。ウチの子も「生まれる前に、空の上から見ていたんだよ」みたいなことを言うんですけど。


中辻

あら〜それは可愛らしい(笑)。

安田

ええ、そうなんです(笑)。実際、私自身もそう思うんですよ。子どもが親を選んで生まれるんだってね。ところが人生相談に来られた方にこの話をしたら、ずいぶん怒られてしまって…。


中辻

え、怒られちゃったんですか! それはまたどうして?

安田

「それは親が毒親じゃなかった人の言い分ですよ。子どもは親を選べない。そこはちゃんと理解しておかないとダメです」って。


中辻

あぁ…なるほど…。

安田

でも私はやっぱり、しんどい運命も含めて全部自分で選んでいる運命なんだという考え方なんですけどね。中辻さんはそのあたりどう思われます?


中辻

正直なところ、全く考えたことないですね(笑)。

安田

選べようが選べまいが、どっちでもいいと?


中辻

そうそう。というか、いずれにしてもこの両親の元に生まれたんだから、その中で自分が幸せになるための努力をしなきゃ仕方ないでしょ、っていう。

安田

なるほど、シンプルですね(笑)。たとえうまくいかないことがあったとしても、それを他人のせいにしてもしょうがないってことですか?


中辻

私はそう思います。ただ先程お話に出た毒親育ちの方って、きっと自分の力ではどうしようもできない辛い状況だったんでしょう。だから「自分が選んだ親でしょ」なんて言われたくなかったのかもしれない。

安田

なるほどなぁ。でも中辻さんも、若い頃から大変な思いや辛い経験をされてきたと思うんですが、それを誰か…例えば親のせいにしたいとは思わなかったんです?


中辻

思わなかったですね。私も10代後半くらいまでは何度か命の危機もあるくらい壮絶な経験をしてきましたけど、だからといって、それをいつまでも引きずっていても意味ないじゃないですか。

安田

同感です。10代ならまだしも、30代40代になってまで親を責めるのは…なんて思っちゃいますよね。


中辻

実はね、ウチの母がまさにそのタイプで。もう60歳過ぎているのに、未だに自分の親のことを責め続けているんですよ。

安田

へぇ、そうなんですか。ちなみにどんなことを責めているんです?


中辻

母は長女で頭も良かったから、薬学部に行きたくてずっと勉強を頑張っていたそうなんです。でも途中で両親が離婚して貧乏になったと。そうしたらそれまで全然勉強もしていなかった母の弟が、ただ「長男だから」という理由だけで大学に行かせてもらえて、母は進学を諦めざるを得なかったんですって。

安田

昔は、女性は大学なんて行かなくてもいい、みたいな時代でしたからね。


中辻

そうなんですよ。しかもそうまでして大学進学した弟は、結局中退したそうなんです。だから未だに母は「私が大学に行って薬剤師になっていたら、私の人生は変わっていた」って言い続けているんですよ。

安田

自分の人生がこんな風になっているのは親のせいだ、と思っているわけですか。


中辻

そういうことです。でも本気で進学したかったんだったら奨学金を借りるとかいくらでも別の方法があったんじゃないのかなと思うわけですよ。「もうこれ以上どうにもならない」ってくらい調べたり努力をしたの? って。

安田

確かに確かに。「仕方がなかった」で済ませてしまうのではなくて、自分でどうにか道を切り開く努力をしてみればいいんですよ。


中辻

結局、幼少期がどうであれ「その先をどうするか」だけなんですよ。…というわけで、私は「生まれ落ちたのがこの両親だったことが運命なのかどうか」ということについては「どっちでもいい」という結論になります(笑)。

安田

なるほど、よくわかりました(笑)。ともあれ、私が運命論を信じるのは、「この親(環境)は自分で選んだものなんだ」という前提に立つことで、自責思考でいられると思うからなんです。その方が人生うまく回ると思っていて。


中辻

本当にそう思います。私もあの壮絶な幼少期を他責にしなかったことで、今みたいに強くなれたんだと思うので。

安田

そう思うとやっぱり、生まれる前の中辻さんも自ら「山あり谷あり」の人生を選んだ気がしてしまうんですよ。こんなことを言うとまた怒られてしまうかもしれませんが(笑)。


中辻

いやいや…私だって自家用ジェットを持っていたり、お年玉に金の延べ棒をくれたりするような大金持ちのところに生まれたかったですよ(笑)。

安田

笑。ちなみに娘さんに対してはどうですか? 「この子は私を選んで生まれてきてくれた」って思うことありますか。


中辻

ああ、それは感じるかもしれない。娘って小さい頃からめっちゃいい子で本当に手がかからなくて。だから周りからは「母親がこんなんやから、子どもが気を遣ってしっかりしてるんや」なんて言われていたんですよね。

安田

ああ、なるほど。確かに自分の子どもを見てると、そういう風に感じることがありますよね。いや〜今回も面白いお話をありがとうございました!

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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