「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第145回 大手コンサル会社に、チラシを丸パクリされた事件

そうなんですよね。私も「良いデザインだから参考にさせてもらおう」程度ではこんなこと言わないですよ。でも、最低限のルールってものがあるじゃないですか。トレースはしないとか、レイアウトはかえるとか…。今回はモラルを疑うほど瓜二つなんですよ。コンプライアンスの欠片もない。

そうなんですよ! 普通に考えたらおかしいでしょ? だけど営業部長はそのチラシをスキャンして、自社お抱えの広告会社に99%トレースでチラシデザインすることを依頼。そのデザインをあたかも自分たちがデザインしたもののように自社の別のクライアント・B社に提案して、ポスティングをし始めたんですって。しかもそれが今度はA社の関係者のご自宅に投函されたと。

でしょうね。A社側もすぐにコンサル会社に連絡してかなりきつく注意をしたんですって。それが去年の夏頃のお話。ところがコンサル会社はしれっとそのまま丸パクリチラシを投函し続けていたんです。で、去年の12月、ついにウチがこの事実を知ることになったというわけです。

ええ。私ももちろん憤慨したんですけど、元デザインを作ったデザイナーの悲しそうな顔が本当に見てて辛くて。私たちはテンプレートを一切使わずに、クライアント一社、一社のためにものすごい時間と労力をかけてチラシを制作してるんです。

もちろんです! まず丸パクリしているチラシの広告主であるB社に電話しました。「ウチがお客様に提案したものと瓜二つのチラシをポスティングされていますけど、どういうことですか?!」って。そしたら電話口の社長さんが「そんなことあります?!」ってすごく驚いていたんですよ。

思いましたよ(笑)。でもB社の社長さんが言うには、このチラシについてはデザインからポスティングまで、すべてコンサル会社に一任しているんだと。それですぐにコンサル会社に連絡をしてくれて、折り返しで私に直接電話がかかってきたんです。

「B社さんから『A社のチラシと同じデザインにしてくれ』って無理やり頼まれたんですよ~。ウチとしてはA社さんもクライアントだし、真似るのはやめといたほうがいいですよって止めたんですけどね~頼まれたら断れない」って言われました。

そうなんですよ! だから私もだんだんヒートアップしてきちゃって(笑)、B社の社長に「どういうことですか? あなた、何も知らないって言いましたよね? コンサル会社からの説明と全く違うんですけど!」というような内容をかなりキツめの文章にしてメールしました。

「どんな事情であれ自分たちも悪いし、ご迷惑をかけているのは重々承知している。でも自分たちはチラシの知識が何もないからすべてコンサル会社にお任せしている。だから私からチラシのデザインについて指示を出すなんてありえない」と連絡がきました。…もう大混乱ですよ。何が真実なの? って。

そうなんですよ。だからB社の社長には「そちらとコンサル会社の間で話が食い違っているのであれば、まずはそちらの2社間で話し合ってください」って伝えたんです。そしたらね、コンサル会社から私に電話が来て、「すみません、先程は自己弁護のために事実と異なったことをお伝えしてしまいました」って!

ちなみに後からわかったんですが、私に電話をかけてきたのは、丸パクリを指示したあの営業部長だったんですよ。もう本当にその態度に「あんたらはモラルのカケラもないんか?!」ってめちゃくちゃイラついちゃって。チラシデザインを丸パクリし、それを私たちがポスティングしているエリアと同じようなエリアで配布した。しかもその事実が発覚した途端、お客さんに責任をなすりつける。…やばくないですか?!

2回来ましたね。社内の弁護士にもこれはアウトと指摘されたらしいです。そりゃそうですよ完全なトレースですもん。だけど、こちらが謝罪を受け入れるかわりに5つほど要望したことについては、ほぼすべて受け入れられないって言われてます。

いえ、正直なところ、お金とかはどうでもよくて。それよりも、二度と同じことがおきないように社内できちんと再発防止策を練ってほしいとか、丸パクリした部長には相応のペナルティを科してほしいとか、そういったことを要望しただけなんですけどね。

そういうことです。しかも代わりにされた提案がさらに腹が立つ内容で! 「我が社の経営研究会に無料でご招待します。そこでマメノキカンパニーさんも営業をして売上を上げたらいいですやん」って言われたんですよ!

ウチが出した要望の中で、彼らが唯一飲めるのは「顛末書を出すこと」だったんですけど、それが未だに届いていないので、まずはそれを受け取ろうかなと。…本当はすべて実名でぶちまけたいところですけど(笑)、弁護士さんからは「落ち着いて対応しましょう」と止められているので堪えています。

そうですよね。ただ、実は話をきくと、このコンサル会社、5年前にも同様のことをしてトラブルになっているらしいんです。で、その時は社外には公表せず内々でコンプライアンス研修をした程度でもみ消したらしくて。
対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。



















