「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第72回 フォロワー1万人を目指すなら、1日何投稿必要ですか?

今日はあらためて「SNSでの発信」についてお聞きしたいんですが、やっぱり「役に立つ情報発信」をしないとフォロワーって増えないと思うんですね。とはいえ、役に立つ情報であれば必ずフォロワーが増えるかというと、それも違う気がしていて。

なるほど。いやでも僕、あんまり過激なことを言って伸ばしてきたタイプのアカウントじゃないんですよ。炎上したこともないですし。ですから少なくとも僕の場合は、純粋に自分が学んだことや、安田さんとの会話の中で「これは使えそうだな」と思った内容なんかを、ただひたすら流しているだけなんです。

もちろんそうなんですけどね。そこは「どんなアカウントを作っていくか」によって、まったく変わってきます。「今日食べたランチ」みたいなツイートでは1投稿あたり0.01人しか増えないけど、有益な内容なら1投稿で5人、10人フォロワーが増える、みたいな。

僕はやっぱり、ビジネスに有益な情報を発信したいと思ってました。経営者として学んだこと、失敗したこと、成功体験、誰かから教わったこと——そういった内容を自分の視点を交えて発信する。それをずっと繰り返しているだけですね。

なるほど。でもそうは言っても炎上商法っていうか、あえてちょっと火をつけてフォロワーを増やすような手法を取っている人もいるじゃないですか。西崎さんももう少し過激にやれば桁違いにフォロワーが増える可能性もあると思うんですが、やろうとは思わないですか。

それで言うと、そもそも僕は「フォロワー数」を求めてるわけじゃないんですよ。数じゃなく「濃さ」を求めている。過激なことを言うことで自分たちの価値観や考えが誤って伝わってしまうなら、それはむしろ避けるべきリスクなんです。

なるほどなるほど。ところで最近は、社長が配信・発信するのが当たり前になってきましたよね。でもやっぱり大部分の人はコツコツ発信してるのにフォロワーが全然増えない。そういう人にアドバイスするとしたら何を言います?

うーん、もちろんケースバイケースだと思うんですが、僕の場合、1日に最大で50投稿くらいはしていたんですけど、そのうちの30投稿ぐらいは「引用リポスト」だったんですよ。安田さんの投稿を引用しつつ自分の意見を書く、みたいな。それは引用元のアカウントにも届くことが多いし、共感してくれたらリポストしてくれたりもしますし。

なるほど。そうやって広がっていくわけですね。ということは、最初の段階ではなるべくたくさん投稿して、「6割リポスト・4割オリジナル」ぐらいのバランスでやるのがいいのかもしれませんね。それを愚直にやっていればどれくらいまではフォロー数いきそうですか?

本当ですか! ちなみにトゥモローゲートさんにそのあたりの戦略を相談することってできるんですか? SNSだけをサポートするようなプランというか。

ありますよ。SNS特化のフック商材みたいな形で。とはいえ、最終的にはその人がどれだけ本気でやるかって話になってきますけどね。1日1投稿の人と、1日50投稿する人では、同じことを伝えても全然結果が違いますから。

だから「自分が面白いと思った」「共感できた」と思える投稿を引用するっていうのが大原則です。その上で、自分より1.5倍から2倍ぐらいフォロワーが多い人の投稿をリポストするのがちょうどいいんじゃないですかね。
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。