第98回 トゥモローゲートの採用力は何位なのか

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第98回 トゥモローゲートの採用力は何位なのか

安田

私、ワイキューブ時代は採用力ランキングというんですかね、人気企業ランキングに非常にこだわっていたんですね。ランキングトップを目指して採用戦略もいろいろ試して。


西崎

そうでしたよね。そして実際ワイキューブさんはかなりの位置にいたと記憶してます。

安田

ええ、おかげさまでランクインできたんですが、トゥモローゲートさんはどうなんでしょう。採用力という意味ではかなり上位にいらっしゃると思うんですが。


西崎

そうですねぇ。あくまで自分の感覚ですが、トップ20%には入っているんじゃないですかね。良くてトップ1015%くらいかな。

安田

いや~、それは謙遜し過ぎじゃないですか?(笑) 新卒採用でリクナビやマイナビに掲載している企業をランダムに50社取ってきても、その中でトップになるくらいの採用力はあると思いますよ。


西崎

そう言っていただけるのは嬉しいんですけど、大手と戦うと歯が立たない部分もありますし、そもそも僕らの会社にフィットする求職者のパイが少ないんですよね。万人受けする会社ではないというか。

安田

ああ、なるほど。でもトゥモローゲートさんくらいになれば、有名企業とのバッティングも当然あるでしょう? それも「採用力がある証拠」だと思いますよ。


西崎

なるほど、そういう見方もできますかね。

安田

私も採用の仕事をしていたのでよく分かるんですが、「内定を出した人がみんな来る」と社長が喜ぶケースって、裏を返せば「自社より魅力的な会社から内定が出ていない」ということでもあるんですよ。つまり、有名大手とバッティングするほどの採用力がないってことなんです。


西崎

ふ〜む、そういう意味ではウチの採用力も捨てたものではないかもしれません(笑)。

安田

そうですよ。優秀な人材を大手と取り合っているわけですから。しかもそうやってバッティングして、結果勝つこともあるんじゃないですか?


西崎

確かに、大手の内定を蹴ってウチに来てくれた子もたくさんいます。大手ではなく中小ベンチャーが相手の場合は、かなりの確率で勝ててますね。

安田

ほら、やっぱりトップ1%なんて余裕ですよ。ちなみに、私の時代は「リクルートやマイナビが発表するランキングで上位を目指す」という指標でしたけど、トゥモローゲートさんでもそういう分かりやすいランキングを目指されたことはあるんですか?


西崎

ええ。会社のビジョンマップの定量項目に「日経就職ランキングに入る」というものがあります。コンサル部門でトップ10に入る、というのを目標にして。

安田

ははぁ、なるほど。ちなみにまだ入ってないんですか?


西崎

ええ、最高で16位くらいで。16位だとまだ新聞に載らないんですよ。

安田

ふーむ、なるほど。ちなみにバッティングする大手ってどういうところなんです? 「ウチに応募してくる子は、この大手を受けていることが多いな」みたいな傾向がありますか。


西崎

いや、特定の企業でそう感じることはないですね。あ、でもメガベンチャー系、サイバーエージェントとかリクルートとかを受けている子は比較的多いかもしれない。

安田

なるほどなぁ。でもそう考えると面白いですよね、ベンチャーは大手に行くレベルの優秀な人材が欲しく、大手は大手を蹴ってベンチャーに行くような人を欲しがる。


西崎

確かに(笑)。

安田

そういう意味で考えても、実質的な採用力という意味では、ベンチャーも大手に負けていないし、むしろ勝っている部分もあるわけじゃないですか。


西崎

そう言われるとそうかもしれませんね。万人受けしない分、会社の考え方や目指す方向がフィットしたら、相手が大手でも勝てる自信がありますし。

安田

そうでしょうね。ちなみに今のトゥモローゲートさんの採用力をさらに上げるとしたら、何が一番必要だと思いますか?


西崎

そうですねぇ、一番は「サービスとしての実績」ですかね。例えば関西テレビさんの案件だったり、識学のブランディングだったり。そういった分かりやすい実績を増やしたい。クリエイター採用にも営業採用にも必要な要素だと思います。

安田

なるほど。単なる知名度ではなく「実績を伴った知名度」ということですね。


西崎

おっしゃる通りです。社名の認知や「ブラックな会社」「オフィスがおもしろい」というイメージはあっても、「トゥモローゲートって何をやっている会社なの?」と聞かれたらパッと答えられない。そのあたりを改善していかなきゃなと。

安田

なるほどなるほど。それで取り急ぎは日経就職ランキングのコンサル部門でトップ10を目指す、というわけですね。でも個人的には、やっぱり1位を目指したほうがいいと思いますよ。Amazonランキングとか一緒で、1回でも)1位を取ったという事実は強いので。


西崎

ああ、確かにそうかもしれませんね。

安田

ぜひ1位を取ってください。期待しています!

 


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

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1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数20万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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