vol.156 【『氵(さんずい)』|アートでのオープンクエスチョンの威力|スポーツトレーナー/四柱推命学や五行易学の師範のNさんの場合】

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

『氵(さんずい)』|アートでのオープンクエスチョンの威力|スポーツトレーナー/四柱推命学や五行易学の師範のNさんの場合

 

アートやデザインに触れることは、論理をはじめとした「既存の思考系態・フレームワーク」を打ち破るチカラがあります。

普段は、新入社員の不出来な企画書に「もっと論理的に」と指導する、「客観的に見て」とか「正しくは」などの会話がビジネスの現場では多いと聞きます。しかし今、世界のビジネスエリートが殺到するある米国デザインスクールでは、「感性」を大切にする思考法を学ぶと言います。それが、変化が激しく問題の見えづらいVUCA時代に、強烈なアウトプットを生み出すとのこと。

これまでの延長線上に積み重ねるロジカルとともに、感性や創造性を活かしたイノベーション能力を求めているのです。様々な例題や、ディスカッションを通じ、いくつかの手法も会得しながら、ロジカルをいかに打ち破っていくか、を試していく‥‥。

そういった感性や創造性を磨くシンプルで本質的な手法の一つに、「オープン・クエスチョン」があります。これは、スクールに行かなくても、心構えとやり方さえわかれば、誰でもできます。しかも、強力です!

オープンクエスチョン=制約なく自由に自ら答えを考えること。
本当にシンプルです。

シンプルで簡単なのですが現場では、オープンクエスチョンは多くの悪い評判を聞きます。

絵のオーナーの経営者には、「従業員にオープンクエスションしたら何が起こるかわからないから困る」と真顔で言われます。
私は特殊なオーダー絵画を描くプロセスで、クライアントにオープンクエスチョンを駆使しますが、他の画家に話すと「そんなことしたくない」。また、セッション中に目の前のクライアントから「よくここまでできますね。私にはできません」と言われることもあります。

オープンクエスチョンだけ取り上げると、まさに皆さんのおっしゃる通りで、人に上手にオープンクエスチョンをすればするほど、相手は「自分で考える」ので、質問者の予想外の答えが返ってきます。画家だったら自分の画風とはまるで違う絵を描くことになりかねませんし、上司や部下だったら自分の範囲外の仕事が発生する可能性があるのです。遊びでの会話だったらいいのですが、仕事では怖いですよね。

実は、仕事でオープンクエスチョンを使う時に大事なことが2つあります。
この2つを踏まえれば、オープンクエスチョンを使って深い相互理解からの革新を生み出すことができるようになります。

一つは、質問者が、軸を定めておくこと。
もう一つは、相手に、現実の中で最良の考えは何かを先に考えてもらうこと。
そうすれば空中分解せず、質問者も回答者も予想もしない次のステージ、イノベーションに向かうことができます。

経営者であれば、<会社の繁栄と個人の成長が結びつく点>や<所属する部署と自分がより良くなる方法>などいろいろな軸を立てることが可能です。

私であれば、<絵を創っていくプロセスで、クライアントが自分で自分を成長の方へより伸びていくこと>が軸。後は、現実とのすり合わせを一緒に考えていけば、オーダープロセスの中でクライアントが初めに思ってもいなかったワクワクする作品を創ることができます。

大事なことは、オープンクエスチョンをするとともに、<現実にできることは何か>現実とのすり合わせも相手に考えてもらうこと。もちろん、その後に自分も一緒に考えるのですが、自分と違う背景を持つ相手に先に考えてもらうことで、自分では考えつかない変革が起こるのです。

これは、自分に対するオープンクエスチョンも同じで、【何に対してオープンクエスチョンするのか】軸を定め、【現実に行動できることは何か】まで考えることを決めたあと、新たな材料や考えを広げていく。ただし自分でやるときは、定めた後に一旦決めたことを忘れないと思考に制限がかかってしまうので注意が必要です。

そして、たとえ一歩一歩は小さな一見つまらないオープンクエスチョンでも、やってみることが大切です。繰り返すことで、最初と違った意味や違った形にイノベーションが起こっていく、これが、オープンクエスションの醍醐味です。この時、楽しく、ワクワクする気持ちで行うのが大切です。実は、複雑な問題解決、論理的仮説組み立てなど、頭を使った認知的能力はポジティブな感情で高まります。

さて、vol.75vol.154、とオーダープロセスが進んできたNさんは、最初は水、清流、青のイメージがほしいと思っていたのですが、オープンクエスチョンで進み、ほしい絵が変わるとともに、感性が解き放たれるアートの力に

「構想画を前にして2ヵ月ぶりのリアル対面セッションで、私の身の内から出ているものがこれなのだ、という驚きもさることながら、絵画そのものの放つ途方もない力に肌が粟立ちました」

と教えてくれました。そして、

「今回は黒色が絵の中にあり、門間さんは『描いていたら自然と黒が出てきました』と言いますが、四柱推命学や五行易学で言うと、黒や白は金(かね)を表す色で金は水の母なるもの、生み出すもの、水源でもあるのです。理にかなっている‥‥」と唸りました。

「水柱のようなものがしぶきを上げながら、うねり、赤いものを含みながらど真ん中から迸るがごとく今にも飛び出しそう!!

見ていると仙骨に力が集まって立ってくるのが分かりました。
実は、自分にGOサインを出すもの、また、潜在的本能的に望んでいるものに関しては仙骨が立ち上がって教えてくれるのです」

Nさんは、四柱推命学等の知識からと、スポーツトレーナーとしての豊かな身体感情で絵を紐解きました。絵は無数の解釈ができます。その方法は、十人十色、人によってみな受け取り方が違います。

それぞれの個性に応じた真の成長への絵の創造を目指す画家である私にとって、かけがえがなく大事なこと。

仙骨で自分がほしい絵を感じるとは、私は夢にも思いませんでした。まさにNさんも、私の既成概念を壊してくれたことに一緒にワクワクしました。

この先に、作品が進んでいくのですが、それはまた別の物語です。

今回完成した作品 ≫『氵(さんずい)構想』

 

 

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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