其の佰参十伍 目標って何?

イノベーションカードが知らせる


本日の斬り口順番を変える
ーーーー

人生に目標を持たないといけないぞ

と拙者、仮の小学生のとき
担任の先生が言った。

人生

って言葉と

目標

って言葉の
2つの意味が
不鮮明だった。

目標って何ですか?

と真顔で質問したが、

夢ややりたいことを
持つことだ

みたいなことを
言われ

へー、人生って何ですか?

と再び真顔で質問したら

みんなが生きいくそれぞれの道

みたいなことを
言われた。

先生が言いたいことを
ざざっとまとめると、

生きていく道で、
夢ややりたいことを
明確にしなさい

ってことだろうか。

この感覚が、拙者には
ピン!とこなかったでござる。

ーーーー

そもそも

目標

って何でござるか?

拙者の世を忍ぶ
仮の祖母たちは
関東大震災と
東京大空襲を
生き抜いた
強者たちだが

人生の目標

について
彼女たちに
問うてみたかったな。

ズバリな問いではないが
彼女たちに、
戦中、戦後、何を思っていたのか
小学生のときの宿題で
インタビューしたことがある。

子だちにお腹いっぱい食べさせてやりたい
家族か雨露を凌ぐ場所を探さなきゃ
9人の子どもたちに教育を受けさせたい

この3つのことは、
話してくれたことの
ほんの一部でござるが

生き抜くのに必死

な姿が浮かび上がる。

これは目標なのだろうか?

担任の先生の言った、

生きていく道で、
夢ややりたいことを
明確にしなさい

は満たしている。

ーーーー
戦後、高度成長期を迎え
屋根のある家に住み、
食べることも心配せずに、
子どもたちも成人して独立しても

祖母たちは、自分を一番
後回しにしていた。

自分の物を買うよりも
子どもや孫の物が先だった。

だからといって、

わたしはいつも我慢している

など卑屈な感じは
しなかった。

暮らしをととのえる

ことに淡々と
愉快に取り組んでいた。

掃除機があっても
箒で掃き、
雑巾で拭き掃除してたし、

冷蔵庫があっても
食品をたくさん
溢れさせることはなかった。

包装紙は紐などは
綺麗にたたみ
ストックされ保管されていた。

物のない時代を
過ごしたから
捨てられないのよ。
お役目があるんじゃないかと思ってね。

ーーーー

淡々と丁寧に暮らす

という彼女たちの姿から

日本一の主婦になる
医者になる
成績一番になる
優勝する
美しくやせる

などの目標は
微塵も感じられないが、
わざわざ掲げなくとも

人生の目標

は、粛々と
達せられているように
拙者には思われる。

命のあり方が
すくっと据えられた人たちには
目標は、掲げるものでなく
暮らしのなかに
立ち現れることなのかもしない。

ーーーー
ってことで
目標とは、遠くを数値化して掲げることだけではない。

今、ここ、を丁寧に生きること

でござる。

拙者、目標を持つこと、持たないこと、両方が大事でだと思うでござるよ。

 

著者の他の記事を見る


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野裕子

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

ツクリビト株式会社 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)一般社団法人ビーイング・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

感想・著者への質問はこちらから