其の四 屋台

パンダ侍が斬る 其の四

 安田からの紹介。「パンダ侍とは?」 

女性と出会うことは稀有な私ですが、こんな面白い人がいたのか!と初対面で衝撃を受けた女性。それがパンダ侍の小野ゆうこさんです。ものの見方が面白い、表現の仕方が面白い、そして彼女が作った「イノベーションカード」がこれまた面白い。ということでイノベーションカードを使ったコンテンツを書いてください!とお願いしました。(イノベーションカードとは?

 のコンテンツについて 

このコンテンツはその日のお題から始まります。たとえば「めがね」というお題に対してパンダ侍さんが「イノベーションカード」を一枚引く。するとそこには「違う場所に置いてみる」というメッセージが。「めがね×違う場所に置いてみる」というテーマでパンダ侍があなたの先入観と思考を斬りまくります。

本日のそもそも:屋台

台湾楽しかったよー。
夜市っていうのが
すっごいの。
おもしろかったー。

と、◯ニーズの
隣の席で
娘と思しき乙女が
母とお見受けするマダムに
話している。

夜市って屋台でしょ?
食べ物、大丈夫だった?
ママはちょっと
あーいうの食べるの
嫌なのよねー。

とマダム。
やっぱりママでござるね。

とゆーワケで、
ママであるマダムが
不安な屋台。
娘な乙女は
おもしろがる屋台。

勝手ながら
屋台のそもそも、

パンダ侍、
ふんわりズバッ!と
斬らせていただきます。
キラーん。

イノベーションカードが知らせる


本日の斬り口:極端にする

屋台か。。。

拙者がまだ
パンダ侍になる前、
下町界隈にて
でんぐり返しで、
日銭を稼いでいたころ、

月3回、神社に
縁日がたった。
屋台がずららーっと
並ぶ。

おでんを食べながら、
焼き鳥を買い、
焼き鳥食べながら
焼きそばにするか、
大阪焼きにするか悩み
玉こんにゃくと
あんず飴でしめる。

サイコーでござる。

神輿がお出ましする
祭りや正月は、
座面のビニールが破れた
赤や緑の丸イスと、
ステンレスで縁取られた、
ニセ木目のテーブルで、
わいわいがやがやと
飲み食いする
大型屋台が増える。

ニセっぽさと安っぽさとウキウキが
いい塩梅のかけ算ワールド。
ビバ、屋台。

ーーーー
と思い出にひたってしまったが、
神社な屋台もあれば、
夜泣きそばや
ラーメンに代表される、
酒を飲んだ後、
腹は締まらない締めを
誘惑する屋台や、

数打ちあたる
射的や金魚すくいのような
娯楽ゲームもある。

いずれにせよ、
漢字が表す通り、
屋根と、台とで
商いされる場だ。

場所がどこであろうが、
季節がいつであろうが、
言葉が通じようが通じまいが、
そんなのおかまいなし。

極端にすると、
屋根と台、そして店主がいれば
小さな世界が
地球上に誕生する。

ーーーー
いつどこに出没するか
何を売って、
値決めをどうするか、
すべて店主の気分次第。

気分次第の屋台の世界に
足を踏み入れると、
その屋台特有の
暗黙知がある。

・右端からつめて座る
・食べ終わった串はコップに立てとく
・ご飯を残すと怒られる
・替え玉は1回だけ
・汁のおかわりはNG

など。
店主があれこれ言わなくても、
張り紙に書かなくても、
暗黙知は、なんとなく、
屋台に集う人から人へ
教え伝えられていく。

ーーーー

屋台は移動可能な簡易店舗の域を超え、
極端にすると、文化継承が
自然発生する店主を王様とする
小さな王国なのだ。

そもそも屋台は、

屋根と台でつくれる王国

でござる。

拙者は、屋台のはしごが
大好きでござるよ。さらば!


パンダ侍のプロフィール

あまりの弱さに
天敵に追われ、
争いを避けて、
しぶしぶ笹を食べ始める。
しだいに美味しく
感じれらるようになり、
肉食であるにもかかわらず、
肉をまずく感じるようになった
熊を先祖に持つ。

育ての先生の
気まぐれから、

こやつは笹薮から
世間に出してみよう

ということで、
草むらを転がり、
川のせせらぎをまたぎ、
欄干をスキップして、
東京に生息。

ある日、笹かまを食べ、

こ、これは笹ではない

と、その驚きで、ほっぺが落ち、
その衝撃で震えがとまらなくなり、
その震えから膝ががくっと落ちた、
その瞬間、

本質を見定めよ。

と天啓をうける。

それ以来、
本人の意思とは関係なく
白いしっぽが
陰陽太極図となり
白黒混ざり合う世の中で、
そもそもを斬ることになる。

腰に非常食の竹笹を
さしていたところ、

侍だったんですねー。

と、たまたま勘違いされ、
パンダ侍と
呼ばれるようになり、
現在に至る。

 

 

生息地:世田谷区界隈ときどき旅
職業:パンダ侍
特技:白黒和合流そもそも斬
苦手:常識、規則、喧騒、争い
好物:笹かま
信条:昼寝と愉快を選ぶ

執筆者:小野ゆうこ

食べること、人間観察、木彫を修行とし、
愛と誠と調和、そしてユーモアを信条とし、
対話によって内発と創発を起こす現場づくりを得意とし、
中小企業の理念づくりやブランディング、新規事業開発を通じた組織変容、
また、経営者の自己変容セッションを生業にしている。
日本大学大学院藝術学研究科修士課程修了後、
企画・コンテンツ開発会社で企画ディレクションを経験後、2006年、株式会社つくるひとを創業。
売上高2億~7,700億円規模の組織、業種業態を問わず、創業以来780を超えるプロジェクトを経験。
10年間でのべ3万人の現場会議を中心に据え、対話型の課題解決に関わる。
現場プロジェクトメンバーの個人成長と集団組織の変容を
常に後押しするプロジェクト型のコンサルティングスタイルを貫き、「考え方」や「対話デザイン」を修得してもらいながら、実際の課題解決をすすめる。
幼いときは宇宙人、変人と、揶揄され、学校社会になじめないまま成長したが、実社会では「変人視点」が求められることが増え続け、重宝されている。

株式会社つくるひと 代表取締役
デキル。株式会社 代表取締役
一社)ブランド・バリュー協会 理事/マスターコンサルタント

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