第145回 現場のパートさんが「最強のマーケター」?!

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第145回 現場のパートさんが「最強のマーケター」?!

安田

うちの息子が小学生なんですが、今ってランドセルの色がすごいんですよ。100種類ぐらいあって、男女どちらが選んでもいいようになっている。


倉橋

男の子が黒で女の子が赤っていう時代じゃなくなりましたもんね。

安田

そうそう。息子もピンクがいいとか言い出して、さすがにちょっと迷いましたけど(笑)。結局グリーンにしたんですけど。ランドセルに限らず、おもちゃやクレーンゲームでも昔は完全に男女で分かれてましたよね。


倉橋

おもちゃの世界では、今も意外と男女の違いが出るんですよ。特に子どもが自分のお小遣いで買い物をする時には、はっきり出ますね。社内のバイヤーに聞いても結構明確に分けていると言っています。

安田

なるほど。でも男の子でも人形遊びが好きな子もいるし、女の子でもサッカー選手になりたいという子もいるじゃないですか。厳密に言うと、男女で分けるというよりは、傾向として好まれやすいものが違うという感じなんですかね。


倉橋

そうですね。ただ昔と比べると階層がものすごく複雑になっています。昔は男の子・女の子でざっくり分けられたのが、今は男の子の中でも社交的な子と内向的な子で好みが違う。女の子も同様です。スマートフォンの普及で情報が増えて、好みが多様化したんでしょうね。

安田

ははぁ。確かに今の子どもはYouTubeとかで自分の好みを見つけてきますからね。


倉橋

そうそう。ちなみに今はシールがすごく盛り上がってますね。

安田

ああ、あれって何に使うんですかね。集めてどうするのかがピンと来なくて。


倉橋

シール帳に貼って集めるんです。中にはレアなシールもあったりして、それを友達同士で交換したりして楽しむわけです。面白いのは、ターゲットが小学4年生と5年生の女の子だけなんですよ。6年生になるとピタッと興味がなくなってしまう。

安田

へぇ。たった2学年だけって、ものすごくニッチですね。そういえばシールの在庫が全然なくて手に入りづらいって話も聞きましたよ。逆に言うとシールが豊富にあるだけでお客さんが集まるわけですよね。


倉橋

そうですね。万代でもクレーンゲームだけでなく、販売もしています。需要のある商材はとにかく命に代えても集めるというのが私たちの仕事ですから(笑)。

安田

なるほど(笑)。ちなみにゲームセンター全体で見ると、男の子向けと女の子向けではどっちの台数が多いんです? なんとなく男の子の方が多そうなイメージがあるんですけど。

倉橋

今は6割ぐらいが女性向けですね。男性に特化したものが2割で、残りの2割が男女共通です。女の子の方が人によって欲しいものが違うので、それだけ品揃えが必要になるんです。逆に男の子は欲しいものが集中しやすいんですよ。

安田

へぇ、意外ですね。例えば男の子でもシールにちょっと興味があるけど、女の子ばかりのコーナーだとやりにくいという子もいますよね。そういう子のために男の子コーナーにもシールを置いたりするんですか。

倉橋

そういう配慮もします。買いづらい人のために場所を変えたり、別のコーナーにも置いたり。お客様が気持ちよく買い物できる環境を作ることが大事ですから。

安田

なるほどなぁ。小さいうちは男女差もあまりないでしょうけど、だんだん学年が上がるにつれて分かれていくんでしょうね。

倉橋

そうですね。低学年のうちはまだ購買自体の楽しさを勉強している段階ですからね。3年生ぐらいになると欲しいものが明確にカテゴライズされてきて、お小遣いの中で何を買うかという判断もできるようになってくるんです。

安田

ははぁ、なるほど。じゃあ男女で分けるだけじゃなくて、学年ごとぐらいにターゲティングが必要ですよね。昔は低学年と高学年ぐらいで分けていたのが、今はもっと細かく考えないといけない。しかも今の4年生と3年後の4年生では、欲しいものも違いそうですし。

倉橋

ええ、まさに。だから常に入れ替えていかないといけない。そのためにも、小学生のお子さんを持つ親御さんの意見がめちゃくちゃ大事なんです。パートさんや社員さんの声がそのまま貴重なマーケティング情報になっています。

安田

そうかそうか。万代のスタッフさんは従業員でありながらマーケターでもあるわけですね。種類だけじゃなくどのぐらいの量を仕入れるかを何ヵ月も前にも予想しないといけない。

倉橋

だいたい3ヶ月前には発注しますからね。未来に何が売れるかなんて、正直誰にもわからないですが、ニーズのあるものが欠品してしまうことだけは避けたいですね。

安田

ああ、確かに。商売人としてはその機会損失が一番悔しいということですね。

倉橋

ええ。楽しい仕事ですけど、情報収集は命懸けでやっています。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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