こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。
人間は何で言葉というルールをつくったのか、えーと、言葉……を、何で話しているの……か……について、考えてます。金子亜佑美です。
ちゃんと言葉を喋れ(笑)安田佳生です。
(笑)
まあまあまあ(笑)
前回申し上げましたとおり、質問が弾切れになってしまいましたので……
「弾切れ」っていう表現はあんまり好きじゃないなあ。
何て言いましょう。枯渇(笑)
そうですね、はい。
なので、ウダウダマーケティングなんですか?今日は。
今日は「死」についてですね、「死ぬ」ということについて。「質問しないとどんどん暗くなるぞ」という意味も込めてですね。
なるほど。
そうか、「暗いのが嫌だったら質問してね」という意味ですか?
ね。でも、実はですね、僕、あんまり死を暗いもんだと思っていませんで。
それは死後の世界が安田さんの中で確固としてありますから(笑)
うっはっは(笑)
(笑)まあね、そうなんですよ。
そりゃ明るいですよ、未来は(笑)
実はですね、2週間ぐらい前ですかね、6月の20日にうちの母親が亡くなったんですね。
えっ!?
あら。
今笑いましたね、金子さん(笑)
いや。えーっ、マジっすか?
はい。
うわ、そうなんだ。
おいくつですか?
86ぐらいだったと思うんですが。
ああ、まだ若いっちゃ若い。
そうっすね。
はい。
平均ぐらい?
若いですね、普通に。
末期ガンだったんですけど、1か月ぐらい前まで全然分かんなくて。
知らなかったんですか?
病院にも行かない人で、あまり延命も望んでない人で。
似てますね。
はい、ホント似てますね(笑)歩けなくなったらそのまんま。で、僕、父親が10年ぐらい前に死んじゃったんですけどね、そのときに僕がすごい高熱が出てましてね、40度ぐらいの。それで死に目に会えなくて、親父が死んで翌日ぐらいに僕行ったんですけど、今回母親は死ぬとき目の前で亡くなってったんです。僕、親父が死ぬときに涙が出なかったんですね。母親は泣いてましたけど。で、僕、兄がおりまして、兄も泣いてなかったんですけど、でも神妙な、泣きそうな顔してたんで、1日遅れて行ったんで、「前の日に泣いてたんじゃなかろうか」と思ってたんですよ。僕、自分で、よく人に「情の薄いヤツだ」とか「情というものがないヤツだ」って言われるんで、「何でオレは泣かないのかな」って思ってたんですね。で、母親に聞いたら「あなたのお父さんも実はお母さん死んだとき泣かなかった」っていうことを教えられて。で、今回、父親のときは泣かなかったけど、さすがにお袋が死んだら泣くんじゃなかろうかって自分で思ってたんです。でも、全く涙も出ずに、うちの兄貴も一粒の涙もこぼさないわけですよ。悲しんでないわけじゃないんですけどね。それで、「親父のときは泣かなかったの?」って聞いたら「泣かなかった」って言うんで、これは遺伝なのか何なのか、何だろうかっていう。
涙と悲しみがイコールではないですからね。
なるほど。
まずはそれがひとつ。
まあ、たしかに怒ってるときも泣いちゃったりしますもんね。
だし、泣かない人のほうが悲しいっていうシーンも多分あるとか、そういうのもあると思うので。
まあ、そういうことがありましてね、それで死というものについて考えてたんですよ。
なるほど。
僕、子どもの頃は当然両親とか死んだら生きてけないと思ってるじゃないですか。二十歳過ぎぐらいまでそう思ってたと思うんですね、「親が死んだらオレはどうやって生きていったら良いんだろうか?」みたいな。それがだんだんと「死んだらどうやって生きていくか」っていう想像がついてきて、最終的に両親がいない世界で僕は生きてるわけなんですが。まあ、いずれ、でも、みんなそうなるんですけど。
はい。
うん。
何でかっていうと、親父が死んじゃって、母親と父親が仲良かったんで、ひとりでやっぱずっと生きてんの寂しいじゃないですか。僕も月1回とか会いに行くんですけど、大阪なんでそうそう会えるもんでもないし。で、死ぬことによってまたもう1回父親と出会えて、楽しく生きているんじゃなかろうかって。だから、死が終わりって感じがしなくて。でも、それは他人の死だからかなと、親といえども。だから祝福して。だから、僕、遺影とかはあるんですけどね、家に写真が、手を合わせたりとか拝んだりしないんですよ。「おはよう」って感じで声はかけるんですけど。うち、父親も変わってて、「墓をつくるな」とか「お通夜に誰も呼ぶな」とか「骨をできるだけ拾うな」っていう人だったんで2人とも。
えーっ。
だから、ほんのちょびっとだけ骨拾って粉にして置いてますけど。
こうやって?
こういうのにして、はい。そうなんですよね。っていうんで、なんか色々…。自分の死って考えたら、まだそこまで冷静に「死とはなかなか前向きなもんだよ」とは言えないんですけど、でも、誰でも必ず死ぬわけじゃないですか、それ分かってみんな生きてるんだからすごいなと思いますよね。今まで死んじゃった人は、どんなに根性ない人でもそれを受け入れたわけじゃないですか。
妊娠・出産と一緒かもしれませんね。
出産もすごいですよね。とてつもなく痛いっていうじゃないですか。
どんなに痛いの嫌でも来ちゃうものは来ちゃうんで。
ね。それですごいのが、乗り越えてまたつくろうとするのが、やっぱ女性ってすごいなと思いますけど。
すごいですよね。
すごいですね。
それは実際子育てが結構大変で、毎日毎日色んなことが来るから妊娠のつらさを味わってる暇がないんですね。実際は忘れちゃうんですよ。まあ、そういう、死についてね。
だから、「ご愁傷様です」とか「お悔やみ申し上げます」とか言われるとすごく違和感があるんですよ。べつに悔やんでないし、ご愁傷様でもないんだけどな、でもそんなこといちいち言うのも何なんで「ありがとうございます」とは言うんですが。おふたりはご両親はまだ健在なんですか?
健在です。
健在です。
まあ、いずれね、自分が先に死なない限りは、順番からいくと親のいない世界を生きることになるわけですね。
親の話とちょっとズレますけど、うちの子どもが結構やっぱ死が怖いっていう時期があるんですね。2人男の子がいますけど、同じぐらいにやっぱ3歳とか4歳とかで「人はなんで死ぬの?」とか「ママは死なないで」とか「オレは死にたくない」とかすごい言うんですよ。だから、そのとき結構考えましたね。
へぇ~。
で、私が死がそんな怖くなくなったときがあって。私は安田さんと違ってホントにシューって電源が落ちるみたいに終わるんだと思ってるんですね。もちろん考えることもできないし、生まれる前に戻るだけっていうか、そう思ってるんですけど、でも、それ、怖いじゃないですか、なんか。だけど、眠るときってそうなってるなと思ったんです、毎日眠るとき。だから、毎日眠ってるのって、もしかしたら死ぬ練習をしてんじゃないかと思ったんです。そしたら死が怖くなくなって。で、赤ちゃんは寝るとき泣くんですよね。多分、寝るとコントロール利かなくなるし、どっかに行っちゃうのが怖いんじゃないかと言われている。
あ~、聞いたことある。
へぇ~。
だから、それがだんだん大人になるにつれ慣れていって、死を迎えるんではないかなと私は思ってます。
なるほどね。
ホントだ。
でも、やっぱ死ぬことを考えるとね、なんていうか、みんな死ぬことは分かってるじゃないですか、分かってるけど結構遠いことなんで、あんま考えないようにしてるっていうか。
考えられないですよね、リアルには。
でも、やっぱりプロ人生師としては……
はは(笑)もう1回言ってください。
プロ人生師。
人生師?
ええ。プロ人間。プロ生きてる人間としては、やっぱり死というものを意識して生きているっていう。映画の話のときも言いましたけど、「これが最後の映画かもしれない」とか「人生で3本しか映画観れないとしても選ぶのか?」っていう感じで、やっぱ生きてる時間って限られてるわけじゃないですか、「それでもこの仕事すんのか?」とか「それでもホントにこの時間過ごすのか?」とか、朝いつもマンガ読むんですけどね、そのマンガがつまんなかったときに、「あ、また貴重な残りの人生をつまらないマンガに使ってしまった」みたいなときもあるんですけど、それを悔やみながら生きていくことこそがプロ生きてる人間……(笑)ということで、死のおまとめを。
えーっ。おまとめ無理(笑)たまには亜佑美ちゃんお願いします。
いや……
じゃあ亜佑美さん、死のおまとめを。
いや、でも、だって、死、やっぱ考えたら悲しいなあと思いました。
あ、そうですか。
うーん、なんか、やっぱ悲しいっすね。
残された人は悲しいと思う。
あ、そうか。
本人は……
でもね、多分、死を悲しまない文化とか種族とかって絶対いると思って。
あー、いるいるいる、聞いたことある。
多分「悲しいもんなんだ」っていう思い込みっていうか、刷り込みっていうか。
刷り込みだ。たしかにね。
思い込みなのかな、これ。
っていう感じはしますね。
しますね。
僕は新たな世界に旅立った母親を心から祝福したいなということで、本日の死は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
*本ぺージは、2018年8月22日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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