「会社に経営理念は必要ないのか?」【読むPodcast | ゲリラマーケティング】

第504回「会社に経営理念は必要ないのか?」
というご質問。
意味のない理念経営はそろそろ辞めませんか、と語る安田の真意とは。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

猫がかわいいから、私は今日も幸せです。金子亜佑美でーす。

安田

安田佳生でーす。

栃尾

かわいいよね。

金子

かわいいですよお。

安田

そういう幸せのなり方ってすてきですよねー。

栃尾

うん。

金子

そう。なんか、心が洗われる感じです。

栃尾

うん。

金子

アニマルセラピー。

安田

まあ、すごいむずかしいけど、結局は、なにもない日常がいちばん幸せだというところに、人間はたぶん、最終的に行き着くんでしょうね。

金子

うん。

栃尾

うん。なるほど。

安田

ウクライナとか見てると、そう思いますよね。

栃尾

ああ、たしかに。

金子

いやあ、そうですねえ。

安田

だけど、なにもないとね、また不安になるわけです、人間というのは、悲しいかな。

栃尾

そうですね。

金子

悲しいかな。

安田

ね。

金子

ねー。

安田

ということで、質問いきましょう。

金子

はい。えー、会社員の30代の方からご質問いただいてます。第1回目から、いつもたのしく拝聴させていただいています。独特で合理性に問われない考え方が面白く、いろんな学びになります。早速質問ですが、安田さんが「会社に理念は必要ない」と言われている記事をどこかで見かけました。いまもそう思われますか?また、会社の理念は個人でいう「モットー」にあたるかと思うのですが、個人のモットーはありますか?お三方のモットーを教えていただければ幸いです。知り合いの会社の理念を見直しと、120歳まで生きる人生のモットーの参考にさせていただきたく思います。ということでーす。すげえ。

安田

「モットー」と「理念」が同じかどうかっていうところも含めて、むずかしい問題なんですよね、これ。

栃尾

はい。ビジョンとかいう……

安田

そう。ビジョンとかミッションとかね、バリューとか、理念とか、いろんな言葉でくくりがあって。

栃尾

はい。

金子

はい。なるほど。

安田

たぶん、これ、だいぶ前の話だと思うんですけど。特にちっちゃい会社はね、わかりにくいんですよ、ビジョンとか、ミッションとか、「世界を○○にする」みたいなことを言っても。

栃尾

はい(笑)

金子

うーん。

安田

それよりは主語を「私たち」にして、「私たちはこういう人を楽しませたい」とか、「こういうことを楽しんでいきたい」みたいなほうがいいじゃないのかな、っていう気がしたんですよ。

栃尾

うんうん。

金子

うん。

安田

まあ、どうしても大きい会社だと世界にマーケットがあるんで、大きいことを言わざるをえないっていうところがあるんですけどね。

栃尾

はい。

金子

うーん。

安田

あとは、まあ、なんていうんでしょう、本当に理念を追求して、たとえばグーグルさんみたいに「世界の情報格差をなくす」みたいなのとビジネスモデルがバシッと一致してると、やっぱ、あれこそがビジョナリー経営だと思うんですけど、だいたいの会社は、会社を発展させるために経営理念とかビジョンとか、つくるじゃないですか。

栃尾

うん。

金子

うん。

安田

そんな必要ないし、社員にも、世の中にも、正直いってバレちゃうんですよね。

栃尾

うん。

金子

うーん。

安田

だから、自分のところの社員ですら自社の経営理念を覚えてないし。

栃尾

はい。

金子

なるほど(笑)

安田

もっといえば社長も、「じゃあ、あなた暗記してますか?」って言ったら、読まないとわかんなかったりする人いるんですよ(笑)

栃尾

なるほど(笑)

安田

そうまでして理念とかにこだわらなくていいんじゃないのかなって気がしますね、僕は。

金子

うん。

栃尾

ちょっと飾り物になってるようなのは、あんまりよくないよなっていうか、なくてもいいんじゃない?って感じですかね。

金子

うんうん。

安田

それもあるし、もうちょと頭やわらかく、もうちょっと、こう、なんていうんでしょうね、ちがうステージから経営を見直してもいいんじゃないのかなってことですね。

金子

ふーん。

栃尾

ちがうステージ?

安田

はい。たとえば任天堂とかはね、そういう理念をつくらないっていうのを天に任せるから「任天堂」っていうんですけど。

栃尾

あ、そうなんですね。

安田

はい。

栃尾

へぇ~。

金子

あぁ、知りませんでした。そうなんですか。

安田

もともと花札屋さんで、運を天に任せるっていう花札と掛けてるんでしょうけど、そういうところからああいう会社も出てくるわけで、やっぱり、もっと現場の人が「どうやったら、より面白いことを考えだすのか」とか、そういうことを真剣に考えていくと、理念っていうのはひとつの行き着いた答えだけど、それがすべてじゃないと思うんですよね。

金子

うん。

栃尾

うん。そうですよね。

安田

ね。「まず理念つくろう」っていうところが、なんか、ちょっと、こう、工夫が足りないと言わざるをえないんじゃないかって。

栃尾

はいはい。私、すごい若い人とお話ししたときに、「僕・私の理念はこれなんですけど」って、サラサラサラって言葉で、一言で表されてるのを聞いたときに、すごく、なんか、違和感ありましたね。

金子

うん。

安田

それが自然に降ってきた、それこそ釈迦とかキリストみたいな人だったら「すげーな」ってことになるんですけど、まず先に理念っていう言葉があって、「理念とはなんぞや」を勉強して、「じゃあ理念つくろう」みたいなのって、完全に型にはまっちゃってる気がするんですよね。

金子

ああ、たしかに。

栃尾

そうですね。なんか狭めちゃってる感じがしました、むしろ。

安田

そうそう。「そもそも会社を発展させるために、なにが必要なのかな」とか、1回ゼロベースで考えて理念に行き着いたんだったらいいんですけどね、せっかく自分で会社やるんだから、もっと自由でいい気がするんですけどね。

金子

うん。

安田

モットーはどうですか?個人のモットー。

栃尾

モットーって、もうちょっと土台みたいなもののイメージがあるんですけど。理念は上のほうにあって、「目指すところ」みたいなのがあって、モットーっていうのは、なんか……

安田

「モットー」って何語なんですか?

栃尾

たしかに。ぜんぜん知らないです(笑)

金子

ほんとだ(笑)

栃尾

そんな英語っぽくないですよね。

金子

私のモットーは「ケセラセラ」ですよ。

栃尾

あ~、あるんだ。

金子

言ったかも。

栃尾

言ってた言ってた。

金子

ね。言ったかも。

安田

それはなんでしたっけ?

金子

「なるようになるさ」と。

安田

あ、「なるようになるさ」と。すごいなあ。それは、理想とするところではありますよね。

栃尾

うん。

金子

そうそう、そうですね。

安田

むずかしいですけどね。

金子

むずかしいですけどね。

栃尾

うん。

安田

栃尾さんはなんですか?モットー。

栃尾

いや、モットー、言葉ではあんまり考えてないですね。たぶん、「こういうことにしている」みたいなことはいろいろあると思うんですけど。たとえば子育てしてるときも、自分の判断の基準っていうのはすごくあるし、譲れないところはいろいろあるんですけど、言葉で「これひとつ」みたいのは出てこないです(笑)

安田

(笑)

栃尾

そうですよねえ。

安田

「人生の」って言われると、むずかしいですよね。

金子

うーん。

栃尾

そうですね。

金子

結局、理想になっちゃいそう。

安田

たとえば仕事とプライベートを分けるわけじゃないけど、結局、子どもと遊んでる時間もすごい楽しいし。

栃尾

うん。

金子

うん。

安田

でも、だからといって、それだけで人生終わったときに、まったくやり残し感ないかといわれると、あるわけで。

栃尾

はい。

金子

うん。

安田

そういう意味では、仕事ともいえないんですけど、自分の生きてる間に掲げているテーマみたいな、そういうのはありますね。

金子

うん。

栃尾

言葉にしてるんですか?

安田

僕の場合は、明確に言語化はしてないんですけど、人間の所業とか存在のばかばかしさを証明するっていうことが、私は自分が生きてる間のテーマでして。

金子

いや、おもしろい(笑)

栃尾

へぇ~。なんか、落語みたいですね。

安田

あ、そうですか。

金子

へぇ~。

栃尾

立川談志の落語の定義は「人間の業を肯定する」みたいな、そんな感じだったと思うんですけど。

金子

へぇ~。

安田

は~。

栃尾

ちょっと、そんな感じがしましたね。

金子

おもしろい。

安田

僕もべつに否定してるわけじゃなくて、そんなに気合い入れて、真剣に仕事なり勉強なり、さっきの理念なりみたいなことを考えなくても、そんな立派な生きモンじゃないでしょっていうね。

栃尾

うんうんうん。

金子

そうですよねぇ~(笑)

安田

だから、もうちょい気楽に生きていけるといいかなって思うんですね。

栃尾

なるほどー。

安田

でも、ちょっと油断すると、結構まじめになっちゃうんですよね。

金子

うん。なっちゃうなっちゃう。

栃尾

そうですよねえ。

金子

なっちゃうなっちゃう。

栃尾

私もすぐまじめになっちゃう。

安田

うん。

金子

すぐまじめになっちゃう。

栃尾

(笑)

金子

悪いクセですねー。

安田

そうなんですよ。まあ、だから、すごく意識してますよね。「あ、俺はまた自分自身こんなことを言いながら、またばかばかしいことやってるよ」と。

栃尾

ああ、なるほどなるほど。

金子

すごい(笑)

安田

だからほんとに、これから死ぬまでにやる事業は、自分でやりたい事業で人の役に立つことであり、なおかつ「ばかばかしさ」がテーマになってるんですね。

栃尾

ふーん。

金子

あ~いいですねえ。

安田

いま、いくつか事業やってますけど、ぜんぶそれが根幹にありますね。

栃尾

へぇ~。たしかに安田さんのつくるものって、ちょっと、こう、抜けた感じというのは、すごく印象あります。「ばかばかしい」という言葉で思ったことはないですけど、ちょっと気持ちが抜けてるというか、抜け感があるというか。

金子

抜け感?ああ、いま流行りの?(笑)

栃尾

女性に流行りの、みたいな(笑)抜け感あるっていう感じ、しますけどね。

金子

いいですねぇ。

安田

あの、もう30近くになる私の長男がいるんですけどね、孫もいるんですけどね、2人。

栃尾

あ~、すごい(笑)

安田

その子がね、言葉をしゃべり始めた頃に、最初にね、ばかばかしい歌っていうのを歌い始めましてね。

栃尾

かわいい。

金子

えーっ、なんだそれ!?

安田

「ば~かばかしぃ~、ばかばかしぃ~♪」っていうような歌だったと思うんですけど、あんま覚えてないんですけど。

金子

ははは(笑)

栃尾

すごい。

安田

いやあ、それを聞いて「たしかになあ」と。

金子

なんて賢い子なんだ(笑)

安田

一生懸命その頃は働いてたんですけど、社長だったんでね、一生懸命仕事してたんですけど、たしかに、なんかばかばかしいなあと思えてきまして。

栃尾

へぇ~。すばらしい。

安田

会社がつぶれてからは、ばかばかしさ一直線でいって。

金子

ははははは(笑)

栃尾

なるほど。

安田

ということで、おまとめを。

金子

(笑)

栃尾

えーと、なんでしたっけ(笑)亜佑美ちゃんが「ケセラセラ」で、安田さんが「ばかばかしい」。

金子

うん。

栃尾

私は特に言葉にはなっておりませんが、そんな感じで参考になったらうれしいでーす。よろしくお願いします(笑)

金子

はい(笑)

安田

ということで、本日は以上です。ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました。

金子

ありがとうございましたー。


*本ぺージは、2022年5月25日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから

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安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
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金子亜祐美
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