第363回 日本は外国人労働者にどう向き合うのか

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第363回「日本は外国人労働者にどう向き合うのか」


安田

外国人労働者がいろいろ問題になっています。

久野

はい。選挙の争点にもなりましたね。

安田

うちの近所のコンビニは外国人だらけですけど。飲食業界や建築業界も外国人なしでは成り立たないみたいですし。

久野

それが現実なんですよ。むしろ外国人が働きに来てくれるかどうか。こちらの方が重要です。

安田

大手飲食グループの外国人労働者がニュースになっていたんですけど。その会社のセントラルキッチンでは工場長や部門長も外国人になりつつあるそうです。

久野

そうなっていくでしょうね。

安田

上層部から見ると日本人労働者は情熱もなくつまらなそうに働いていると。海外から来る人材は情熱もあるし、スキルアップ意欲もあるし、出世したいエネルギーもある。

久野

明確な目的を持って日本に来ている人はそうでしょうね。

安田

この会社のセントラルキッチンでは27人のうち11人が外国人だそうです。「もう日本人は採らない」と断言していました。外国人労働者ってそんなに優秀なんですか。

久野

ベトナム人はすごく真面目ですね。一生懸命働くイメージが強い。だから一般的な経営者で雇用しやすいのはベトナム人だと思います。

安田

国籍によってそんなに違いますか?

久野

違いますね。ベトナムの人は時間にきっちりしてるし言われたことはちゃんとやる。

安田

なるほど。責任感も強い?

久野

責任感も強い。だからオペレーショナルな会社であればかなり戦力になる。あと日本人よりも変な辞め方はしないです。古き良き日本の伝統みたいなのをまだベトナムの方は持っていて。

安田

でも失踪するベトナム人もいるじゃないですか。

久野

それは日本人の経営者がひどいだけで。普通にやってりゃいなくならないですよ。

安田

日本人より辞めにくいですか?

久野

日本人の場合は「稼ぐために転職する」という動機じゃないですか。

安田

そういう人が増えてますね。

久野

ベトナム人は「今の会社で頑張って働きたい」っていう気持ちが強い。

安田

日本人よりロイヤリティが高いってことでしょうか。じゃあ「日本人を雇わない」というこの会社の決断は正しいと。

久野

日本人は難しいですよね。給料を上げても辞めるっていうし。

安田

ベトナムの人は掃除の仕事も嫌がらずにちゃんとやってくれるみたいです。まあベトナム人もいろいろいるでしょうけど。

久野

私の感覚でも、そういう人の割合は多いんじゃないかと思います。

安田

工場長に抜擢されたベトナムの人が言ってたんですけど。前職はすごくブラックな職場だったそうです。朝6時から夜12時まで働いて休みもないっていう。

久野

そういう職場がまだ多いんですよ。外国人だから安くこき使ってもいいと思ってる。

安田

今のセントラルキッチンは非常に待遇も良くて、しっかり休めて、仕事を真面目にやる情熱が湧いてくるみたいです。

久野

日本がよくないのは外国人を安く使おうとする経営者が多いこと。そういう経営者に限って「外国人は使えない」とか言うんですよ。

安田

なるほど。じゃあ日本人と同じ待遇で、日本人と分け隔てなく育てていけば、情熱を持って働いてくれる人はいると。

久野

とくにベトナムの方がおすすめですね。

安田

ベトナム人贔屓がすごいですね(笑)

久野

差別をしているわけじゃないんですけど、宗教や習慣っていうのは外国人を雇う上で注意しなきゃいけないポイントなんです。

安田

単なるイメージではないと。

久野

はい。ベトナム人は無宗教に近いというか、そこの感覚も日本と結構近くて。

安田

日本で出世して本国から家族を呼び寄せる人も増えていまして。家族は日本語が出来ないので受け入れる自治体や学校は苦労してるみたいですよ。

久野

外国人を労働者として考えているなら国家として対策しないとダメでしょうね。

安田

ずっと単身赴任で働き続けるのは無理がありますよ。

久野

家族で移ってきてちゃんと暮らしていけるような環境整備をしてあげないと。本当にもう来てくれなくなります。

安田

実際に今は韓国に行く人が増えているみたいです。

久野

韓国って永住権が取れるんですよ。日本は特定技能での在留資格に近い。ずっとはいれないんです。

安田

そういうところも整備しないとまずいですよね。

久野

はい。特定技能で家族も帯同できるようになったので。その割にまだまだ法整備が足りない。外国人を受け入れる覚悟は他国と比べるとまだまだ薄いと思います。

安田

韓国はそこに手を打って努力してるってことですね。

久野

そうなんですよ。日本人はまだまだ危機感が足りなくて。今はまだ何とかなってますけど、これから本当にベトナム人も日本に来なくなる時代が来ると思います。

安田

本気で戦力していくんだったら、ちゃんと考えないといけないですね。

久野

外国人を受け入れることをまだ覚悟出来ていない。それが日本の現状だと思います。

安田

もう受け入れているじゃないですか。現実的に。受け入れないと現場が動かなくなっていますし。

久野

現実問題として彼らがいないと成り立たないです。でも自分たちで問題提起はしたくない。そこがいちばんの問題だと思います。

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久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

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